加齢黄斑変性・網膜静脈閉塞症
- HOME
- 加齢黄斑変性・網膜静脈閉塞症
加齢黄斑変性
加齢黄斑変性は初期は自覚が少ないのですが、眼内に一度出血すると急激に中心部分が見えなくなり、改善が難しい病気です。梅の木眼科クリニックでは、早期発見、早期治療を心がけています。患者様の視力低下を極力起こさせないよう、必要があれば当日の抗VEGF硝子体注射にも対応できる体制を整えています。将来も今と同様に見えることを目標として二人三脚の治療に努めてまいります。
加齢黄斑変性とは
眼球をカメラに例えるとフィルムにあたる網膜のほぼ真ん中に黄斑(おうはん)と呼ばれる部分があります。黄斑は中心視力の9割を担うといわれており、ものの詳細を見分けたり、色を判別するのにとても大切な場所です。さらに、黄斑の中心は中心窩と呼ばれ、視力に重要な場所です。
加齢黄斑変性症は、網膜の下の脈絡膜というところから黄斑の網膜に向かって、新生血管という異常な血管が生えて、出血したり、血液中の水分(滲出液)が漏れてたまってしまうことで、中心部に見えないところやゆがみを生じ、視力が低下する病気です。50歳以上の約1.2%(80人に1人)に見られ、年を重ねるごとに多くなり、患者数も年々増える傾向にあります。*
新生血管が発生・発育して、血液や滲出液がもれだす原因物質として血管内皮増殖因子(VEGF)が見つかっています。
VEGFは正常な血管を形成し、維持するために不可欠な物質ですが、本来は必要のない血管を発生させるなど、加齢黄斑変性では悪い働きをします。
*Yasuda M et al.:Ophthalmology 2009;116:2135-40より改変(1998年と2007年の調査による9年間の加齢黄斑変性の発症率)
加齢性黄斑変性にかかりやすい人
加齢性黄斑変性症は、年をとればかかるおそれのある病気です。
日本では加齢性黄斑変性症を主とした黄斑変性症は視覚障害者の原因疾患の第4位*です。この疾患の主な原因は、加齢や生活習慣の欧米化などです。欧米では以前より主要な失明原因となる怖い病気として知られていましたが、日本でも高齢者の増加にともなって患者様が増えています。
また喫煙者に多くみられることも報告されています。
*「網膜脈絡膜・視神経萎縮症に関する研究平成17年度総括・分担研究報告書42.わが国における視覚障害の現状」より
主な症状
網膜の中心部が悪くなるので、視野の中心のもっともよく見ようとするものが見えにくくなります。病巣が黄斑に限られていれば、見えにくい部分は中心部だけですが、大きな出血が起これば、さらに見えにくい範囲は広がります。
加齢性黄斑変性症は進行するにつれて視力低下はもとより、日常生活の不自由さがとても強くなるご病気です。診断された際には定期検査および治療を受けることをお勧めいたします。
当院では視力検査、眼底3次元画像解析装置(OCT)などを用いて治療をご提案してまいります。
加齢黄斑変性の治療
加齢性黄斑変性症の治療には、以下のものがあります。
抗VEGF抗体硝子体注射
新生血管の成長やそこから漏れ出す血液中の水分を減らします。
レーザー治療
レーザー光線を新生血管のあるところに照射します。中心窩から離れたところに新生血管がある場合に行う治療です。
光線力学療法(PDT)
光に反応するお薬を腕の静脈から注射投与し、弱いレーザーを照射して新生血管を閉塞させます。
当院で行える治療は抗VEGF抗体硝子体注射です。
それ以外の治療が必要な場合には病院をご紹介させていただきます。
網膜静脈閉塞症
急に見づらくなった。といって来院されることが多い網膜静脈閉塞症ですが、黄斑部の浮腫による見づらさが長く続くご病気です。早期に治療を開始することで、視力の維持が期待できます。梅の木眼科クリニックでは必要なタイミングでの過不足のない治療を心がけています。
網膜静脈閉塞症とは
網膜静脈閉塞症は、カメラでいうフィルムの役割を果たしている網膜の静脈が詰まってしまい、網膜出血や網膜の中心部にあたる黄斑にむくみ(黄斑浮腫)を起こす病気です。
年を重ねると発症しやすい病気で、高血圧と動脈硬化と深い関連があり、糖尿病などの血液の粘性が増す病気がある方も発症しやすくなります。
網膜静脈閉塞症の治療
網膜静脈閉塞症の根本的な原因は、動脈硬化であることが多いため、適度な運動や食生活、血圧・血糖値の管理といった健康的な生活習慣が大切な治療です。
しかし、視力低下が生じてしまった場合には特別な治療が必要になることがあります。
網膜静脈閉塞症の治療には、以下のものがあります。
抗VEGF抗体硝子体内注射
VEGFという炎症物質の働きを抑え、黄斑浮腫を軽減される作用があります。
トリアムシノロン注射
黄斑浮腫を抑えます。
レーザー治療
注射だけでは黄斑浮腫がなかなか軽減しない場合もしくは網膜に異常血管(新生血管)が生えてきた場合に行います。
硝子体手術
眼内に出血(硝子体出血)起こっている場合や他の治療法で十分な効果を見られない場合に行います。