片目だけゴロゴロする原因は?放置で悪化する症状と対処法を眼科医が解説
2026/01/22
片目だけゴロゴロする症状に悩んでいませんか?
朝起きたとき、片方の目だけにゴロゴロとした違和感を感じたことはありませんか?
「何か入っているのかな」と思って鏡を見ても、特に異物は見当たらない。目をこすったり、まばたきを繰り返したりしても、なかなか症状が改善しない・・・こうした経験をお持ちの方は少なくありません。
片目だけにゴロゴロとした異物感が現れる場合、さまざまな原因が考えられます。
軽い症状であれば自然に治ることもありますが、放置することで症状が悪化したり、視力に影響が出たりする可能性もあるため注意が必要です。
特に、細菌やウイルスの感染が原因の場合は、適切な治療を受けないと周囲の方にうつしてしまうこともあります。
この記事では、梅の木眼科クリニック院長として多くの患者様を診てきた経験をもとに、片目だけゴロゴロする原因、放置した場合のリスク、そして適切な対処法について詳しく解説します。
片目だけゴロゴロする主な原因とは
片目だけに異物感が現れる場合、いくつかの原因が考えられます。 ここでは、代表的な原因について詳しくご説明します。
細菌性結膜炎による異物感
細菌性結膜炎は、黄色ぶどう球菌や肺炎球菌などの細菌感染によって引き起こされる結膜の炎症です。
片目だけに発症することが多く、黄色や黄緑色の粘り気のある目やにが特徴的です。
朝起きたときに目やにで目が開けにくくなることもあります。目の充血やゴロゴロとした異物感を伴い、放置すると症状が悪化する可能性があります。
細菌性結膜炎は、適切な抗菌点眼薬による治療で比較的短期間で改善が期待できます。ただし、耐性菌や重症例では視力に影響する場合もあるため、早めの受診が重要です。
ウイルス性結膜炎(はやり目)
ウイルス性結膜炎は、アデノウイルスなどのウイルス感染によって引き起こされる結膜炎で、非常に感染力が強いことが特徴です。
流行性角結膜炎(はやり目)や咽頭結膜熱(プール熱)が代表的で、感染してから1~2週間の潜伏期間を経て症状が現れます。突然、目に何か入っているかのようなゴロゴロ感や充血、まぶたの腫れ、大量の涙や目やにが出たりします。
片目から始まることが多いですが、もう片方の目にも広がることがあります。
発症から10日ほどして角膜に炎症が起こり、目がかすむこともあります。治るまでに2~3週間かかることもあり、学校や職場を休む必要が出る場合もあります。
アレルギー性結膜炎
花粉やハウスダスト、ダニ、ペットの毛などのアレルゲンが原因で起こる結膜炎です。
通常は両目に症状が出ることが多いですが、片目だけが特定のアレルゲンに接触した場合、片目のみに症状が現れることがあります。強いかゆみが最大の特徴で、ゴロゴロとした異物感、充血、涙目、白っぽい目やになどの症状を伴います。
人にうつる心配はありませんが、かゆみや充血が強く出る場合があり、日常生活に支障をきたすこともあります。
角膜の傷や異物混入
小さなゴミやホコリ、まつ毛などが目に入り、角膜に傷がついてしまうことがあります。
庭仕事中に木の枝や木片が目に入ったり、作業中に金属片やコンクリートの破片が目に入ったりした場合は、角膜に深刻な傷ができる可能性があります。
角膜には多くの神経線維が入り込んでいるため、小さな傷でも強い痛みやゴロゴロ感として感じることができます。
角膜の傷は、軽いものなら自然に治る場合がほとんどですが、原因や状態によってはすぐに眼科を受診することをお勧めします。
ドライアイによる症状
涙の分泌量が減少したり、涙の質が低下したりすることで目の表面が乾燥し、ゴロゴロとした異物感が生じることがあります。
特に睡眠中は瞼がしっかり閉じて目の表面が乾燥しないように保護していますが、閉瞼が不十分な方の場合、睡眠中に眼の表面が乾燥するため、起きがけにゴロゴロしたり、かすんで見えにくいといった症状が現れます。
起床後は瞬きをすることで涙が分泌され、目の表面が涙で潤いますので、症状が緩和されることが多いです。
片目だけ閉瞼が不十分な場合、片目のみに症状が現れることもあります。
マイボーム腺機能不全
瞼には脂が出てくる腺(マイボーム腺)があり、この脂が涙の蒸発をしづらくしています。
このマイボーム腺が詰まると瞼の縁に白いできものができることがあります。このできものが瞬きするたびに角膜に当たることでゴロゴロしてしますことがあります。
基本的には数日で自然に改善することはありますが、症状が続く場合は受診をお勧めします。
また、日頃の清拭でできづらくなることもあるので、ごろつきが取れない場合は眼科にご相談ください。
放置すると悪化する可能性のある症状
片目のゴロゴロ感を「そのうち治るだろう」と放置してしまうと、症状が悪化したり、周囲の方にうつしてしまったりする可能性があります。
角膜炎への進行
結膜炎を放置すると、炎症が角膜にまで広がり、角膜炎を引き起こすことがあります。
特にウイルス性結膜炎の場合、発症から10日ほどして角膜に小さい濁りが出てくることがあり、まぶしさやかすみを感じたりします。
重症な場合は、角膜表面がすりむける角膜びらんを伴い、とても痛くなることがあります。角膜の濁りは自然に消えることが多いのですが、重症な場合は適切な治療が必要です。
視力低下のリスク
角膜が病気やケガなどによって濁ったり、本来なめらかな表面が傷ついたり凸凹になったりすると、うまく光を取り込めなくなり、視力が低下してしまいます。
特に細菌性結膜炎の中には、適切な治療を受けないと視力低下に繋がる疾患もあるため注意が必要です。
乳幼児の場合は抵抗力が弱く、角膜炎から眼内の感染症に至って失明することもあるため、必ず受診が必要です。
感染拡大の危険性
ウイルス性結膜炎は非常に感染力が強く、家庭内、職場、学校など周囲からの感染が多く注意が必要です。
目を擦った手やハンカチなどから他の人に感染することがよくあります。流行性角結膜炎の潜伏期は7日~10日で、非常に感染力が強いため、家庭内感染に注意が必要です。
咽頭結膜熱(プール熱)は、夏かぜに伴う結膜炎で小児に好発します。
もしかかってしまった場合は衛生対策を行い、他方の眼や他の人に感染が広がるのを防ぐことが重要です。
眼科を受診すべきタイミング
片目のゴロゴロ感が現れた場合、どのようなタイミングで眼科を受診すべきでしょうか。
以下のような症状がある場合は、早めの受診をお勧めします。
すぐに受診が必要な症状
強い充血や大量の目やにが出る場合は、早めの受診が必要です。
特に黄色や黄緑色の粘り気のある目やにが大量に出る場合は、細菌性結膜炎の可能性が高く、適切な抗菌点眼薬による治療が必要です。
また、片目だけの急な症状や、目の痛みが強い場合、視界がかすむ場合も、すぐに眼科を受診してください。
庭仕事中に木の枝や木片が目に入った、作業中に金属片やコンクリートの破片が目に入った、調理中に熱い油がはねて目に入った、掃除中に洗剤やカビ取り剤などの化学薬品が目に入った場合は、角膜に深刻な傷ができる可能性があるため、すぐに眼科を受診しましょう。
数日様子を見ても改善しない場合
軽い異物感やゴロゴロ感であっても、数日経っても症状が改善しない場合は、眼科を受診することをお勧めします。
「少し赤いだけだから…」「そのうち治ると思って…」といった判断で来院が遅れると、悪化したり周りにうつしてしまうことがあります。
結膜炎はよくみられる目の病気ですが、自然に治るような軽い結膜炎もあれば、休養が必要なものから、視力低下などの後遺症を残す結膜炎もあり、注意が必要です。
家族や職場に結膜炎の人がいる場合
家族や職場に結膜炎の人がいて、自分も目に違和感を感じる場合は、早めに眼科を受診してください。
ウイルス性結膜炎は非常に感染力が強く、タオルやドアノブなどの感染者が触れたであろうものを介して感染します。
感染してから症状が現れるまでに1~2週間かかることもあるため、「うつるかもしれない」と心配な場合は、早めに診断をつけることで、治療も早く進み、周囲への感染も防げます。
自宅でできる応急処置と対処法
眼科を受診するまでの間、自宅でできる応急処置についてご紹介します。
ただし、これらはあくまで一時的な対処法であり、症状が続く場合は必ず眼科を受診してください。
目を清潔に保つ
こまめな手洗いを徹底し、目をこすらないように注意してください。
ウイルスや細菌は「手→目」で感染することが多いため、手についている菌が目に入る原因になります。
目やにが出る場合は、清潔なティッシュやガーゼで優しく拭き取り、使用後はすぐに捨ててください。
タオルや洗面道具を家族と共有しないことも重要です。感染力の強いタイプの結膜炎は、家族にも広がることがあります。
コンタクトレンズの使用中止
目に異物感やゴロゴロ感がある場合は、コンタクトレンズの使用を中止してください。
コンタクトレンズの間違った装着やお手入れが原因で角膜が傷つくこともあります。
症状が改善するまでは、メガネを使用することをお勧めします。コンタクトレンズ使用による機械的刺激によるアレルギー性結膜炎の方も増えてきています。
目を冷やす
目の充血や腫れがある場合は、清潔なタオルを冷水で濡らし、軽く絞って目の上に置くと症状が和らぐことがあります。
ただし、タオルは使い捨てにするか、使用後はすぐに洗濯してください。目をケガした場合は、冷やしてすぐに眼科を受診することが重要です。
他人の点眼薬は使わない
家族や友人の点眼薬を使用することは避けてください。
症状が似ていても、原因によって治療法がまったく異なるため、自己判断で点眼薬を使用すると症状を悪化させる可能性があります。
必ず眼科で診断を受け、自分に合った点眼薬を処方してもらってください。
梅の木眼科クリニックでの結膜炎治療
梅の木眼科クリニックでは、結膜炎の原因を見極めた適切な治療をご提供しています。
患者様の症状や生活背景もしっかり伺い、原因に応じた最適な治療方針をご提案する体制を整えています。
細菌性結膜炎の治療
細菌性結膜炎の治療は、抗菌点眼薬の使用が基本となります。
原因菌に合わせた抗菌薬を使用すれば、3~7日程度で症状は軽快します。症状の程度に応じて速やかに抗菌点眼薬による治療を開始します。耐性菌や重症例では、より強力な抗菌薬や内服薬を使用することもあります。
ウイルス性結膜炎の治療
ウイルス性結膜炎の場合、ウイルスを完全に排除するような薬はなく、身体の中で抗体がつくられ、症状が改善していくのを待つことになります。
ただし、対症療法として非ステロイド性抗炎症薬、ステロイドの点眼を行うことは可能です。また、細菌による二次感染を防ぐため、抗菌薬を使用することもあります。
感染拡大防止のための指導や休校・休職証明書の発行も対応いたします。
アレルギー性結膜炎の治療
アレルギー性結膜炎の治療は、抗アレルギー点眼薬の使用が中心となります。
症状や季節に応じて、抗アレルギー薬・ステロイド点眼薬など最適なアレルギー治療を組み合わせてご提案します。
重症例では、免疫抑制剤の点眼を行うこともあります。
スギ、ダニを原因とするアレルギーの場合には、舌下免疫療法による治療が行われることもあります。
丁寧な説明で不安を解消
症状の特徴、治療期間の目安、日常生活での注意点など、患者様が安心して治療に専念できるよう丁寧にご説明します。
迅速かつ丁寧に検査し、正確な診断に基づく治療をいたします。
感染予防のための生活上の注意点も細かくご説明し、院内外での感染拡大予防に努めています。
まとめ:片目のゴロゴロ感は早めの受診を
片目だけにゴロゴロとした異物感が現れる原因は、細菌性結膜炎、ウイルス性結膜炎、アレルギー性結膜炎、角膜の傷、ドライアイなど、さまざまです。
軽い症状であれば自然に治ることもありますが、放置することで角膜炎への進行、視力低下、感染拡大などのリスクがあります。
特に強い充血・大量の目やに・片目だけの急な症状がある場合は、早めの受診が必要です。
自宅でできる応急処置としては、目を清潔に保つ、コンタクトレンズの使用中止、目を冷やす、他人の点眼薬を使わないなどがありますが、これらはあくまで一時的な対処法です。
症状が続く場合や悪化する場合は、必ず眼科を受診してください。
梅の木眼科クリニックでは、患者様の目を守るために迅速な診断と適切な治療を心がけています。
気になる症状があれば、どうぞお気軽にご相談ください。
早めの受診で、大切な目の健康を守りましょう。
【著者情報】熊谷悠太
日本眼科学会認定眼科専門医
2003年 聖マリアンナ医科大学医学部卒業、聖マリアンナ医科大学病院眼科学教室入局
2009年 聖マリアンナ医科大学大学院博士課程修了、桜ヶ丘中央病院眼科部長
2016年 聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院眼科主任医長
2019年 梅の木眼科クリニック開院

