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白内障手術を片目だけ行う理由とは?両目手術との違いを徹底解説

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白内障手術を片目だけ行う理由とは?両目手術との違いを徹底解説

白内障手術を片目だけ行う理由とは?両目手術との違いを徹底解説

2026/02/11

白内障手術を片目だけ行うケースとは

白内障は多くの場合、両目に同時進行する疾患として知られています。しかし実際の臨床現場では、片目だけに手術が必要となるケースも少なくありません。

片目のみの白内障手術が選択される理由は、主に進行度の違いにあります。

加齢による白内障は通常、左右ほぼ同じペースで進行しますが、外傷や特定の疾患が原因の場合、片目だけが急速に濁ることがあります。
たとえば、スポーツ中の衝撃や転倒による外傷性白内障、長期間のステロイド薬使用、糖尿病に起因する片眼性の白内障などが該当します。

また、両目とも白内障が進行していても、片方の視力低下が著しく日常生活に支障をきたしている場合、まず片目から手術を行うことが一般的です。

これにより、手術のリスクを分散し、術後の見え方を確認しながら、もう片方の手術時期を慎重に判断できます。

片眼手術と両眼同時手術の主な違い

白内障手術を片目ずつ行うか、両目同時に行うかは、患者様の状態や生活環境によって判断されます。

片目ずつ手術を行う従来の方法

片目ずつの手術は、長年にわたって標準的な方法とされてきました。最大のメリットは、万が一の感染症発生時に、もう片方の目への影響を防げることです。

術後眼内炎の発生確率は0.02%と非常に稀ですが、発生した場合は緊急処置が必要となり、適切な対応がなければ失明に至る可能性もあります。片目ずつの手術であれば、細菌感染を片眼のみに留めることができ、リスクを最小限に抑えられます。

また、片目の手術後に見え方を確認し、眼内レンズの度数を微調整できる点も大きな利点です。
手術前にイメージしていた見え方と実際の術後視力に相違があった場合でも、もう片方のレンズで再調整することが可能になります。

両目同時手術のメリットとデメリット

近年では、医療技術の進歩により、両目同時手術も選択肢として広がっています。

両目同時手術の最大のメリットは、日常生活への早期復帰です。手術直後は両眼ともぼんやりとした状態でも、翌日からは両眼とも同じように視力が回復し、左右の見え方のバランスが取りやすくなります。

片目ずつの場合、一方は手術済み、もう一方は手術前の状態が続くため、左右の視力差による不均衡が生じ、生活に支障をきたすことがあります。 通院回数や費用負担の軽減も見逃せません。

術後検診が1セットで済むため、検診費や交通費の負担を抑えることができます。仕事や生活スケジュールの調整も一度で済み、効率的です。

一方で、両目同時手術には注意点もあります。片眼ずつの手術よりも合併症のリスクがやや高まる可能性があり、レンズの微調整機会がないこと、手術当日は両眼とも視界がぼんやりするため付き添いが必要となることなどが挙げられます。

片目だけ白内障が進行する原因

片目だけに白内障が現れる背景には、加齢以外の特定の要因が関わっています。

外傷性白内障のケース

最も一般的な原因は外傷です。

ボールが当たったり転倒した際の衝撃が原因で、水晶体が白濁することがあります。
これを外傷性白内障と呼び、左右どちらか一方のみの視力が低下しやすいことが特徴です。スポーツ中の事故や幼少期の怪我が原因で、数年後に発症するケースも報告されています。

外傷性の場合、水晶体を支える組織が損傷している可能性があり、手術の難易度が上がることも考えられます。
過去に怪我や炎症を経験した場合には、定期的に眼科で検査を受けることが重要です。

疾患に起因する片眼性白内障

ぶどう膜炎や緑内障といった他の目の病気に伴って、片目だけ水晶体が濁るケースもあります。

長期間のステロイド薬使用や糖尿病も、片眼性白内障の原因となることが知られています。加齢の場合は左右差が小さいのに対し、こうした特殊な原因では片目だけ急速に濁るケースが目立つため、早期発見と適切な対応が重要です。

両眼視機能への影響と注意点

片目だけ白内障が進むと、両眼視機能に影響が出ることがあります。
人間の視覚は左右の目から得られる情報を脳で統合し、立体感や距離感を正確に判断しています。
これを両眼視機能と呼び、この機能が低下すると日常生活に支障が出る可能性があるのです。

片目だけ白内障が進むと、このバランスが崩れ、奥行き感覚が鈍ったり視界のぼやけが強まったりします。結果、階段の上り下りや車の運転時に不安を感じやすくなるでしょう。
長期間放置すると、脳が低下した片目の視覚情報を抑制し、視力の回復が難しくなるリスクもあります。

こうした理由から、片目の視力が落ちてきた際は、もう一方の目が見えていても放置せず、医師に相談することが重要です。

自分でできる見え方チェックとして、片目ずつ交互に隠して景色や新聞の文字を見比べると、視界のかすみや明るさの違いが感じられます。

片目手術が適している患者様の特徴

片目のみの白内障手術が適しているのは、以下のような状況です。

まず、片目だけが著しく進行しており、もう片方の目は比較的良好な視力を保っている場合です。
この場合、急いで両目を手術する必要はなく、進行している側から対処することで、日常生活の質を速やかに改善できます。

また、初めての白内障手術で不安が強い方にも、片目ずつの手術が推奨されます。

片目の手術を経験することで、術後の見え方や回復過程を実感でき、もう片方の手術に対する心理的ハードルが下がります。
手術に対する不安が強い方には、笑気麻酔の導入も可能ですので、担当医に相談してみてください。

さらに、眼内レンズの選択に迷いがある方も、片目ずつの手術が有効です。
単焦点眼内レンズと多焦点眼内レンズにはそれぞれメリット・デメリットがあり、実際の術後視力を確認してから、もう片方のレンズを選択できる柔軟性があります。

手術のタイミングと判断基準

白内障手術を受けるタイミングは、「見えづらさで困っているかどうか」が大切な判断基準になります。

メガネを変えても見えにくい、老眼鏡をかけても新聞が読みづらい、車の運転が怖くなってきた、趣味や仕事に支障が出ているといった生活の変化が現れた場合、手術を検討する時期といえます。

当院では、患者様の生活環境や希望を丁寧に伺い、手術時期を一緒に考えていきます。
「まだ様子を見たい」「免許更新までに改善したい」など、患者様の事情を尊重した対応を心がけています。

すぐに手術を行うべきかどうかを一方的に決めるのではなく、見えにくさによる生活への影響やご本人のご希望を重視しています。
点眼治療による経過観察が適している場合もあれば、日常生活に支障が出ている場合には、日帰り白内障手術をご提案することもあります。

眼内レンズの選択と術後の見え方

白内障手術で挿入する眼内レンズは、若い人の水晶体のように厚くなったり薄くなったりして、ピントを調節する力がありません。

そのため、見る物の距離に合わせて、メガネを上手に使う必要があります。

単焦点眼内レンズの特徴

保険診療で使用される単焦点眼内レンズは、遠くか近くのどちらか一点にピントを合わせます。家の外での生活が中心の方には、遠く(約5m)にピントを合わせたレンズが適しており、手元を見るときに近用メガネ(老眼鏡)が必要です。

室内での生活が中心の方には、近く(約30cm)にピントを合わせたレンズが適しており、遠くを見るとき(車の運転など)に遠用メガネが必要です。

多焦点眼内レンズという選択肢

眼鏡への依存を減らしたい方には、多焦点眼内レンズという選択肢もあります。

遠方と近方両方が見やすくなるように焦点が2か所に設計されたレンズで、日常生活での眼鏡使用頻度を大幅に減らすことができます。ただし、多焦点眼内レンズは誰にでも合うわけではなく、夜間の光のにじみやハロー現象が気になる方もいらっしゃいます。

当院では、患者様のライフスタイルや見え方のご希望を丁寧に伺い、納得いただいたうえでレンズを選択していただくことを重視しています。

術後のケアと生活上の注意点

白内障手術は、手術をして終わりではありません。 術後の適切なケアが、良好な視力回復と合併症予防につながります。

手術当日から翌日にかけては、良く見えるようになる人もいれば、1週間以上かけて徐々に回復していく方もいます。視力の回復速度は、角膜や網膜の状態などさまざまな要因で異なってきます。

術後の見え方の変化

手術の翌日から、少しまぶしすぎるように感じることもあります。

手術前は濁っていた水晶体を通して見ていたのが、手術で急に濁りがとれて大量の光が入るために起こることの多い自覚症状です。時間が経過するとあまり感じなくなってきますが、まぶしさが続くようであれば、サングラスをかけることをお勧めします。

また、以前よりも物が少し青みを帯びて見えることがあります。手術前は水晶体が加齢によって黄色味を帯びており、青色をはじめとする短波長の光が目に入りにくくなっていました。
眼内レンズはその短波長の光を通すため、手術前よりも青色の光が目に入りやすくなっているのです。

術後検診の重要性

当院では、術後翌日・数日後・1週間後・1か月後・3か月後と、段階的に診察を行い、見え方や回復の状態を丁寧に確認しています。

「この症状は大丈夫?」「いつから普段通り生活できる?」といった不安も、その都度相談できるため、安心して回復期間を過ごせます。
手術時間は約10分程度で、創口は縫合せず自然閉鎖するため、術後の回復も比較的早いのが特徴です。

多くの方が翌日から日常生活に近い状態でお過ごしいただけます。

梅の木眼科クリニックの白内障治療

当院では、患者様一人ひとりの目の状態と生活環境を丁寧に把握したうえで、最適な治療方針をご提案しています。

白内障は加齢による発症が多い疾患ですが、近年では紫外線やアトピー性皮膚炎、糖尿病などを背景に、若年層での発症も増えています。
年齢や進行度にかかわらず、早期発見から治療、術後のフォローまで一貫した医療提供を行っています。

当院の白内障手術は、局所麻酔による短時間の日帰り手術を基本とし、患者様の身体的・精神的負担をできる限り軽減することを大切にしています。
さらに、万が一の合併症にも対応できる硝子体手術設備を整えており、より安全性を重視した白内障手術体制を構築しています。

白内障による「見えにくさ」を改善することだけでなく、手術後の生活がより快適になることをゴールとしています。

横浜市で白内障治療をご検討の方は、まずはお気軽にご相談ください。

まとめ

白内障手術を片目だけ行うか、両目同時に行うかは、患者様の状態や生活環境によって最適な選択が異なります。

片目ずつの手術は、リスクを分散し、術後の見え方を確認しながらもう片方の手術時期を判断できる利点があります。
一方、両目同時手術は、日常生活への早期復帰や通院回数の削減といったメリットがあります。

どちらの方法を選択するにしても、重要なのは患者様ご自身の生活スタイルや希望に合った治療を選ぶことです。

当院では、患者様の目と日常生活に寄り添った治療を提供し、手術後の生活がより快適になることを目指しています。
白内障による見えにくさを我慢せず、早めにご相談いただくことで、日常生活の快適さを取り戻せる可能性があります。

横浜市で白内障の診療・日帰り手術を検討している方は、梅の木眼科クリニックまでお気軽にお問い合わせください。

【著者情報】熊谷悠太

日本眼科学会認定眼科専門医
2003年 聖マリアンナ医科大学医学部卒業、聖マリアンナ医科大学病院眼科学教室入局
2009年 聖マリアンナ医科大学大学院博士課程修了、桜ヶ丘中央病院眼科部長
2016年 聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院眼科主任医長
2019年 梅の木眼科クリニック開院

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