目の充血と目やにが出る原因は?放置してはいけない症状とは
2026/02/13
朝起きたら目が真っ赤に充血していて、目やにもたくさん出ている・・・
そんな経験はありませんか?
目の充血と目やにが同時に現れる症状は、単なる疲れ目だけでなく、さまざまな原因が考えられます。中には放置すると視力低下につながる危険な病気が隠れている場合もあります。
この記事では、眼科専門医の視点から、目の充血と目やにが出る原因を詳しく解説します。ウイルス性結膜炎や細菌性結膜炎など、すぐに受診すべき症状の見分け方もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目の充血と目やにが出るメカニズム
目の充血は、白目の部分にある血管が拡張することで起こります。
通常は目立たない細い血管が、何らかの刺激や炎症によって太く広がり、赤く見えるようになるのです。
一方、目やには涙に含まれる「ムチン」という物質が、目の表面の不要なものをからめ取ってできたものです。脱落した上皮、血液中の細胞、病原体などで構成されています。
起床時に目の周りに少量の目やにがついているのは正常な生理現象です。しかし、日中も目やにが出続けたり、量が多い場合は注意が必要です。
充血と目やにが同時に出る場合、多くは結膜に何らかの炎症が起きていることを示しています。
結膜は白目の表面を覆う半透明の膜で、まぶたの裏側から折り返して眼球を保護しています。
この結膜に炎症が起こると、充血や目やにといった症状が現れるのです。
充血の種類と見分け方
充血には大きく分けて「結膜充血」と「毛様充血」の2種類があります。
結膜充血は、白目の周辺部が網目状に鮮やかな赤色になるのが特徴です。まぶたの裏も赤くなり、目やにや涙を伴うことが多くあります。
花粉やハウスダストなどのアレルギー、細菌・ウイルスによる感染、ドライアイやコンタクトレンズの長時間使用などが原因となります。
毛様充血は、黒目の周辺が網目状に赤くなり、黒目から離れるほど赤色が薄れていくのが特徴です。
まぶたの裏側まで充血せず、涙は出ても目やには出ないことが多く、強い痛みを伴う場合もあります。角膜炎、ぶどう膜炎、強膜炎などの重篤な疾患が原因となることがあります。
細菌性結膜炎による充血と目やに
細菌性結膜炎は、黄色ブドウ球菌、インフルエンザ菌、肺炎球菌などの細菌が結膜に感染して起こる病気です。
黄色ブドウ球菌は健康な人でものどや鼻、皮膚、手指などにいる常在菌ですが、免疫力が落ちているときや、目にケガをしている場合に感染しやすくなります。小児と高齢者に発症しやすく、病気などで抵抗力が弱くなったときに感染リスクが高まります。
細菌性結膜炎の症状
黄白色でネバネバ、ドロっとした目やにが出るのが特徴です。
主に片目のみに発症することが多く、充血や異物感、涙が多く出るなどの症状を伴います。朝起きたときに目やにで目が開けにくくなることもあります。
感染力は比較的弱いものの、タオルなどを共用すると他の人にうつる可能性があります。
細菌性結膜炎の治療
細菌によるものですから、抗生剤が有効です。
点眼薬や軟膏、内服薬など、感染した細菌の種類によって適したものを用いて治療します。適切な治療を受ければ、1~2週間で完治します。
ただし、症状が改善しても医師の指示通りに治療を続けることが大切です。途中で治療を中止すると、再発したり症状が悪化する可能性があります。
淋菌性結膜炎の場合は特に注意が必要です。膿のような大量の目やにが出るのが特徴で、経過によっては角膜穿孔を起こす危険性があるため、早急な治療が必要となります。
ウイルス性結膜炎による充血と目やに
ウイルス性結膜炎は、アデノウイルスなどのウイルスが結膜に感染して起こる病気です。
細菌性結膜炎と比べて感染力が非常に強く、人から人への感染を起こしやすいのが特徴です。「はやり目」や「プール熱」として知られており、家庭内や職場、学校などで集団感染が起こることもあります。
流行性角結膜炎(はやり目)
アデノウイルス8型、19型、37型によって起こるウイルス性結膜炎です。
ある日突然、白目が真っ赤になり、サラサラとした透明な目やにが大量に出ます。まぶたがはれ、耳の前にあるリンパ節がはれて触ると痛みがあります。
潜伏期は7日~10日で、非常に感染力が強いため、家庭内感染に注意が必要です。
発病から1~2週間して、黒目に小さい濁り(角膜混濁)が出てくることがあります。
濁りが出ると、まぶしさやかすみを感じたりします。自然に消えることが多いのですが、重症な場合はステロイド点眼薬を使用すると効果があります。
咽頭結膜熱(プール熱)
アデノウイルス3型、4型、7型に感染すると、結膜炎だけでなく、のどの痛みや熱が出る咽頭結膜熱を起こします。
39度前後の発熱が数日続き、のどの痛みを伴います。時には吐き気や下痢などおなかの症状を伴うこともあります。1週間くらいでよくなりますが、数週間、便の中にウイルスが出ています。夏かぜに伴う結膜炎で小児に好発します。
ウイルス性結膜炎の治療と注意点
ウイルス性結膜炎には特効薬がありません。
炎症を抑えたり、細菌の混合感染を予防するための点眼薬を使用します。
主に非ステロイド性抗炎症点眼薬やステロイド点眼薬を用い、細菌感染の合併を予防する意味で抗生剤を用いる場合もあります。安静を保っていれば2週間から1ヶ月程度で完治します。
感染を防ぐためには、手をこまめに洗うこと、顔を拭くタオルは共用しないこと、お風呂は最後に入る、あるいはシャワーですませることなどが重要です。
学校伝染病であり、学校や職場も約1~2週間休まなければなりません。
アレルギー性結膜炎による充血と目やに
アレルギー性結膜炎は、花粉やハウスダストなどのアレルゲンが目の中に入ることで起こる炎症です。
季節により花粉の種類は異なり、春ではスギやヒノキ、初夏ではカモガヤやオオアワガエリ、秋ではブタクサやヨモギが代表的です。
ダニやハウスダストが原因の場合は、1年を通じて症状が出る通年性アレルギー性結膜炎となります。
アレルギー性結膜炎の症状
透明から白色の目やにが両目に出るのが特徴です。
強いかゆみ、充血、異物感、涙が出るなどの症状を伴います。
かゆみが気になって過度に目をこすったり洗ったりすると、目を保護する成分が流されてしまい、充血などの症状が悪化する場合がありますので注意が必要です。
鼻炎の症状の合併が高率にみられるのも特徴で、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状が同時に現れることが多くあります。
アレルギー性結膜炎の治療
薬による治療が中心です。
抗アレルギー薬や、重症度によりステロイドの目薬を使用します。春季カタルなどの重症なタイプには免疫抑制剤による目薬を使用することもあります。
花粉に対して防護メガネの使用や、ハウスダストの場合は寝具を清潔に保つなどの対策をすることで、予防することができます。
透明から白色の目やにが両目に1ヶ月以上続くときは、アレルギー性結膜炎やドライアイなどが原因となっている可能性が高いため、眼科を受診することをおすすめします。
眼精疲労による充血と目の症状
現代社会では、パソコン・スマートフォン・タブレットなどのデジタル機器を長時間使用する生活が当たり前になり、年齢を問わず眼精疲労に悩む方が増えています。
眼精疲労は、休息や睡眠を取っても十分に回復しない点が特徴で、目の症状だけでなく、頭痛・肩こり・吐き気・倦怠感など全身症状を伴うこともあります。
眼精疲労で目が充血する理由
長時間のスマホやパソコン作業により、乾燥や瞬きの回数が減少します。
その結果、乾燥すると結膜(白目の部分)が刺激を受けて赤くなることがあります。
目の疲れによる充血は、疲れを回復させるため、目に酸素や栄養を運ぼうとする力が働くことで目の血流量が増え、白目の部分の血管が拡張してしまうために起きるものです。
眼精疲労の原因
眼精疲労の原因は一つではありません。
度数の合っていない眼鏡・コンタクトレンズ、老視(老眼)の初期段階によるピント調節の負担、ドライアイによる目表面の不安定さ、長時間の近業作業による毛様体筋の過緊張、白内障・緑内障など他の眼疾患の有無、生活環境(照明、作業姿勢、空調環境)や生活リズムなど、多角的に評価する必要があります。
対策としては定期的に休憩を入れることや、ホットアイマスクなどが有効です。
特に、20-20-20ルール(20分ごとに20秒、約6m先を見る)や作業環境の調整など、実践しやすい方法を取り入れることが大切です。
すぐに受診すべき危険な症状
目の充血と目やにが出る症状の中には、放置すると視力低下や失明につながる危険な病気が隠れている場合があります。
以下のような症状がある場合は、早めに眼科を受診することをおすすめします。
強い痛みを伴う充血
目に強い痛みがある場合は、角膜に傷がついていたり、炎症だけではなく重篤な疾患が隠れていることもあります。
毛様充血の場合、角膜炎、ぶどう膜炎、強膜炎などの可能性があり、悪化すると失明する可能性もあるので、早めの受診が必要です。急性閉塞隅角緑内障の場合も、黒目の周囲が赤くなり、強い痛みを伴います。
視力低下やかすみを伴う症状
充血や目やにとともに、視力低下やかすみを感じる場合は注意が必要です。
流行性角結膜炎では、発病から1~2週間して黒目に小さい濁り(角膜混濁)が出てくることがあり、まぶしさやかすみを感じたりします。
症状が解消に向かった時期に治療を中止してしまうと、角膜が濁り視力低下を招くことがあります。
偽膜ができる重症な結膜炎
子どもや症状が強い人の場合、まぶたの裏に偽膜という白い膜ができることがあります。
偽膜は眼球の結膜に癒着をおこすことがあり、適切な治療が必要となります。
また炎症が強いと黒目の表面がすりむける角膜びらんを伴い、とても痛くなることがあります。
繰り返す充血や出血
結膜下出血は、何らかの原因で結膜の血管が破れて出血したことにより、白目が赤くなってしまう症状です。
痛みはなく、1~2週間で自然治癒することが多いのでそれほど心配はいりませんが、何度も繰り返す場合は疾患が隠れている可能性もありますので、眼科を受診しましょう。結膜弛緩症などの病気が隠れている可能性があります。
日常生活でできる予防と対策
目の充血と目やにを予防するためには、日常生活での適切なケアが重要です。
感染性結膜炎の予防には、手をこまめに洗うこと、顔を拭くタオルは共用しないこと、お風呂は最後に入る、あるいはシャワーですませることなどが効果的です。
また、目を触った後は必ず手を石けんでよく洗い、タオルなど自分専用のものとすることが大切です。
デジタル機器使用時の注意点
疲れ目で目が充血したときには、まず目を休めることが重要です。
20-20-20ルール(20分ごとに20秒、約6m先を見る)を実践し、定期的に休憩を入れるようにしましょう。
ドライアイで目が充血したときは、意識してまばたきをすることも効果的です。画面を見続けることでまばたきが減り、目が乾燥しやすくなるためです。
作業環境の調整
照明、作業姿勢、空調環境などの生活環境も眼精疲労に影響します。
エアコンによる乾燥を避けるため、加湿器を使用したり、デスクの位置を調整して直接風が当たらないようにすることも有効です。
また、適切な度数の眼鏡・作業用眼鏡を使用することで、目への負担を軽減できます。
アレルギー対策
花粉症の場合は、防御メガネの使用が効果的です。
ハウスダストが原因の場合は、寝具を清潔に保つ、こまめに掃除をする、空気清浄機を使用するなどの対策が有効です。
アレルゲンとの接触を減らすことで、症状の悪化を防ぐことができます。
まとめ|目の充血と目やには早めの受診を
目の充血と目やにが同時に出る症状には、さまざまな原因があります。
細菌性結膜炎の場合は黄白色でネバネバした目やに、ウイルス性結膜炎の場合はサラサラとした透明な目やに、アレルギー性結膜炎の場合は透明から白色の目やにが特徴です。
それぞれ治療法も異なりますので、検査にて原因を特定し、適切な治療を受けることが大切です。
特に、強い痛みを伴う充血、視力低下やかすみを伴う症状、偽膜ができる重症な結膜炎などは、放置すると視力低下につながる危険があります。
「最近、目の疲れが取れない」「休んでもスッキリしない」「頭痛や肩こりも続いている」といった症状がある場合は、眼精疲労と思っていた症状の裏に、白内障や緑内障などの疾患が隠れているケースも少なくありません。
目の疲れや違和感を感じた際は、「年のせい」「仕事のせい」と自己判断せず、早めに眼科を受診することをおすすめします。
症状の原因を明確にし、快適な見え方と日常生活の改善につなげることが大切です。
梅の木眼科クリニックでは、小さなお子様からご高齢の方まで、幅広い年代の目の悩みに対応しています。
目の充血や目やにでお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。
【著者情報】熊谷悠太
日本眼科学会認定眼科専門医
2003年 聖マリアンナ医科大学医学部卒業、聖マリアンナ医科大学病院眼科学教室入局
2009年 聖マリアンナ医科大学大学院博士課程修了、桜ヶ丘中央病院眼科部長
2016年 聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院眼科主任医長
2019年 梅の木眼科クリニック開院

