白内障と緑内障を併発したらどうなる?治療の順番と注意すべきポイント
2026/04/13
「最近、視界がかすむ」「目がぼやける」と感じていませんか?
実は、白内障と緑内障を同時に発症している方は少なくありません。
白内障手術が必要な方の約3割が緑内障を併発しているというデータもあります。どちらも進行性の病気ですが、治療の順番や手術の方法を正しく理解することで、視力の維持や回復が期待できます。
この記事では、白内障と緑内障を併発した場合の見え方の変化、治療の優先順位、同時手術の可否について詳しく解説します。
白内障と緑内障の違いとは?
白内障と緑内障は、どちらも視機能を低下させる病気ですが、原因や症状は大きく異なります。
白内障は、眼の中の水晶体が白く濁ることで視界がかすむ病気です。加齢や紫外線、アトピー性皮膚炎などが原因となり、80歳以上ではほぼ100%の方が発症します。
一方、緑内障は、視神経に障害が起こることで視野が徐々に欠けていく病気です。眼圧の上昇や視神経の脆弱性が原因とされ、40歳以上の約5.8%(20人に1人)が発症しています。
白内障は視力の回復が可能ですが、緑内障で失われた視野は元に戻りません。そのため、早期発見と適切な治療が非常に重要です。
白内障の主な症状
視界がかすむ、ぼやける
光がまぶしく感じる
暗い場所での見えにくさが増す
視力が低下する
緑内障の主な症状
視野が徐々に欠ける
視界に見えない部分(暗点)が出現する
視力が低下し、放置すると失明する
白内障は手術で視力を回復できますが、緑内障は進行を抑えることしかできません。この違いを理解しておくことが、併発時の治療戦略を考える上で重要です。
白内障と緑内障を併発する確率はどのくらい?
白内障と緑内障を同時に発症する方は、想像以上に多いのです。
白内障は加齢とともに発症率が上がり、50歳代では37~54%、60歳代では66~83%、70歳代には84~97%が発症します。
一方、緑内障は40歳以上の約5.8%が患っており、大半の方が自覚症状がないまま進行しています。
実際、白内障手術が必要な方の約3割が緑内障を併発しているというデータもあります。視力が悪くなったり視界がかすむなどの症状で眼科を受診し、詳しい検査をすると両方の病気が見つかるケースが多いのです。
緑内障患者の約9割が治療を受けていないという報告もあり、自覚症状がないまま進行していることが多いため、定期的な眼科検診が重要です。
併発した場合の見え方の変化
白内障と緑内障を併発すると、それぞれの症状が重なり合い、日常生活に大きな支障をきたします。
白内障による「視界のかすみ」や「まぶしさ」に加えて、緑内障による「視野の欠け」が同時に進行するため、見えにくさが複雑化します。
併発時の具体的な見え方
視界全体がかすみ、さらに一部が欠けて見える
光がまぶしく感じる一方で、暗い場所では視野が狭くなる
視力が低下し、細かい文字が読みづらくなる
階段の段差や障害物に気づきにくくなる
特に注意が必要なのは、白内障の症状が強いと緑内障の視野欠損に気づきにくいことです。
視界がかすんでいるため、視野が欠けていることを自覚しにくく、緑内障の進行に気づかないまま放置してしまうリスクがあります。
そのため、視力低下を感じたら早めに眼科を受診し、両方の病気を正確に診断してもらうことが大切です。
治療の優先順位はどう決まる?
白内障と緑内障を併発した場合、どちらを先に治療すべきかは患者さんの状態によって異なります。
基本的な考え方としては、緑内障の進行度と白内障の重症度を総合的に判断して治療方針を決定します。
緑内障が軽度の場合
緑内障が初期段階で視野欠損が軽度であれば、白内障手術と緑内障手術を同時に行うことが可能です。これにより、一度の手術で両方の病気に対処でき、患者さんの負担を軽減できます。
緑内障が進行している場合
緑内障が進行し、眼圧のコントロールが急務の場合は、緑内障の治療を優先します。点眼薬やレーザー治療、手術によって眼圧を下げ、視神経の障害を抑えることが最優先です。
白内障が重度の場合
白内障が進行して日常生活に支障をきたしている場合は、白内障手術を先に行うこともあります。白内障手術によって視界が改善されると、緑内障の視野欠損をより正確に評価できるようになります。
治療の順番は、眼科医が患者さんの生活スタイルや希望を丁寧に伺いながら、最適な手術時期と方法を一緒に考えていきます。
白内障と緑内障の同時手術は可能?
結論から言うと、白内障と緑内障の同時手術は可能です。
軽度の緑内障の場合、白内障手術を実施する際に緑内障の手術(トラベクロトミー:流出路再建術やトラベクレクトミー:濾過手術)を同時に行うことができます。
これにより、一度の手術で両方の病気に対処でき、患者さんの負担を大幅に軽減できます。
同時手術のメリット
一度の手術で両方の病気を治療できる
手術回数が減り、身体的・経済的負担が軽減される
回復期間が短縮される
視力と眼圧の両方が改善される
同時手術の注意点
白内障と緑内障手術を同時に実施する際には、注意点があります。特に重要なのが、患者さんの乱視の有無です。
従来の緑内障手術(トラベクロトミー)では、結膜・強膜を切開するため、手術による予測できない乱視を誘発し、乱視矯正(トーリック)眼内レンズを用いた同時手術が困難でした。
しかし、最近ではトラベクトームや谷戸フックなどの手術器具を使用し、眼内から行うため、結膜・強膜を切開しない低侵襲緑内障手術(MIGS)を実施することで、乱視の誘発を最小限に抑えることが可能になっています。
MIGSは1.6mm程度の切開のみで手術を行えるため、誘発する乱視が少なく、トーリック白内障緑内障同時手術でも、トーリック白内障単独手術の残存乱視とほとんど結果が変わらないことが研究で明らかになっています。
他の眼科で手術が難しいと言われた方でも、適切な手術方法を選択することで同時手術が可能な場合があります。
梅の木眼科クリニックでの治療アプローチ
横浜市保土ケ谷区の梅の木眼科クリニックでは、白内障と緑内障の併発に対して、患者さん一人ひとりの状態に合わせた最適な治療を提供しています。
当院では、白内障手術を院内で日帰り手術として実施しており、手術時間はおよそ10分です。局所麻酔で痛みも少なく、翌日からほぼ普段通りの生活を送ることが可能です。
経験豊富な院長による一貫診療
手術を担当するのは、大学病院・市中病院で15年以上の経験を持つ熊谷悠太院長です。
診察から手術、術後のフォローまで院長自らが責任を持って対応し、「安心して任せられる一貫診療」を実現しています。
患者さんとの会話を大切にしながら、医学的な根拠と生活の両面から最善の治療を提案してくれる温かい人柄も、地域で選ばれる理由のひとつです。
多焦点眼内レンズにも対応
当院では、単焦点レンズ・多焦点レンズのどちらも取り扱い、患者さんの目の状態・生活の質・希望の見え方をもとに最適なレンズを選択しています。
「できれば老眼鏡をかけたくない」「遠くも近くも自然に見えるようにしたい」という希望に応えるため、多焦点眼内レンズも提供しています。
6つの安心ポイント
「西谷駅」から徒歩7分、駐車場完備
毎週(月・水)は手術日で早期治療が可能
院長が全ての診療を担当
患者さんとの距離が近い丁寧な説明
キッズスペース完備(※現在中止中)
専門スタッフによる精密検査体制
白内障だけでなく、緑内障・加齢黄斑変性・糖尿病網膜症・眼瞼下垂症・小児眼科(近視治療・弱視・斜視)などにも対応しています。
一般眼科から外科的治療まで一貫して行うことで、家族全員の「かかりつけ眼科」として安心して通えるクリニックです。
治療後の生活で注意すべきポイント
白内障と緑内障の治療後は、適切なケアと定期的な検診が重要です。
術後の生活で気をつけること
処方された点眼薬を指示通りに使用する
目を強くこすらない
激しい運動や重労働は医師の指示があるまで控える
定期的な眼科検診を受ける
白内障手術後は、翌日からほぼ普段通りの生活を送ることが可能ですが、緑内障の治療は継続的な管理が必要です。
緑内障は進行を抑えることしかできないため、手術後も定期的に眼圧をチェックし、必要に応じて点眼薬を継続します。
定期検診の重要性
白内障手術後も、緑内障の進行を監視するために定期的な検診が欠かせません。視野検査や眼圧測定を定期的に行い、視神経の状態を確認することで、早期に異常を発見できます。
また、白内障は再発しませんが、緑内障は生涯にわたって管理が必要な病気です。医師の指示に従い、定期的に通院することが視力を守るために重要です。
まとめ:早期発見と適切な治療が視力を守る鍵
白内障と緑内障を併発した場合、それぞれの病気の進行度や患者さんの生活スタイルに応じて、最適な治療方針を選択することが重要です。
軽度の緑内障であれば、白内障手術と同時に緑内障手術を行うことで、一度の手術で両方の病気に対処できます。
一方、緑内障が進行している場合は、眼圧のコントロールを優先する必要があります。
どちらの病気も早期発見が重要です。視力低下や視界のかすみを感じたら、早めに眼科を受診し、詳しい検査を受けることをおすすめします。
梅の木眼科クリニックでは、患者さん一人ひとりの目の状態と生活の質を大切にしながら、最適な治療を提案しています。白内障や緑内障でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
梅の木眼科クリニック
所在地:神奈川県横浜市保土ケ谷区西谷1-25-21
アクセス:相鉄線「西谷駅」北口から徒歩7分
電話番号:045-371-2666
手術日:月曜・水曜
休診日:土曜午後・日曜・祝日
見えづらさをあきらめず、適切な治療で「見える喜び」を取り戻しましょう。
【著者情報】熊谷悠太
日本眼科学会認定眼科専門医
2003年 聖マリアンナ医科大学医学部卒業、聖マリアンナ医科大学病院眼科学教室入局
2009年 聖マリアンナ医科大学大学院博士課程修了、桜ヶ丘中央病院眼科部長
2016年 聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院眼科主任医長
2019年 梅の木眼科クリニック開院

