白内障手術|近くの病院より専門クリニックを選ぶ理由
2025/11/18
白内障手術を検討されている方にとって、「どこで手術を受けるか」は非常に重要な選択です。近くの総合病院か、それとも専門クリニックか。
この選択によって、手術の質や術後の見え方に大きな違いが生まれることをご存知でしょうか?
白内障は加齢とともに誰にでも起こりうる疾患であり、日本では年間約150万件もの手術が行われています。それだけ一般的な手術となった今、患者様が本当に満足できる結果を得るためには、手術を受ける医療機関の選択が鍵となるのです。
私は聖マリアンナ医科大学での勤務経験と市中病院での15年にわたる診療経験を活かし、現在は梅の木眼科クリニックで院長として白内障手術を担当しています。その経験から、専門クリニックでの手術がもたらす多くのメリットについてお伝えしたいと思います。
白内障手術を受ける医療機関選びの重要性
白内障と診断されたからといって、すぐに手術が必要というわけではありません。日常生活に不便を感じ始めたときが、手術のタイミングです。
しかし、受診した眼科がたまたま白内障手術を行っているからという理由だけで、そのまま手術を受けてしまうのは少し待ってください。
白内障手術の技術は日進月歩で進化しており、医療機関によって技術レベルや提供できる選択肢が大きく異なるのです。手術を受ける場所を慎重に選ぶことが、術後の満足度を左右します。
どうして近くの総合病院ではなく、専門クリニックを選ぶべきなのでしょうか?
その理由は、専門クリニックでは白内障手術に特化した環境、設備、そして経験が揃っているからです。特に以下の点が重要となります。
執刀医の経験と実績:専門クリニックでは、多くの症例を手がける医師が執刀します
最新の医療機器:専門クリニックは最新の手術機器に投資しています
豊富な眼内レンズの選択肢:患者様の生活スタイルに合わせた最適なレンズを提案できます
一貫した治療体制:診断から術後ケアまで同じ医師が担当します
これらの要素が組み合わさることで、より安全で満足度の高い手術結果につながるのです。
専門クリニックならではの技術的優位性
白内障手術は2ミリほどの小さな切開から行う精密な手術です。この繊細な手術において、専門クリニックの技術的優位性は明らかです。
専門クリニックでは、日々多くの白内障手術を行っているため、執刀医の技術が非常に洗練されています。
手術件数が多いということは、それだけ様々なケースに対応してきた経験があるということ。難しいケースでも適切に対応できる技術が蓄積されているのです。
例えば、当クリニックでは毎週月曜日と水曜日に白内障手術を実施しており、院長である私自身が執刀しています。これにより、診察から手術、術後のフォローアップまで一貫した治療を提供できるのです。
また、専門クリニックでは最新の手術機器を導入していることが多いです。白内障手術の技術は年々進化しており、新しい機器ほど安全性と精度が向上しています。
あなたの大切な目の手術。経験豊富な医師と最新の設備を備えた専門クリニックで受けることで、より良い視力回復が期待できるのです。
患者様に合わせた眼内レンズの選択肢
白内障手術では、濁った水晶体を取り除き、人工の眼内レンズを挿入します。このレンズ選びが、術後の見え方を大きく左右するのです。
総合病院では、基本的な単焦点レンズのみを扱っていることが多いですが、専門クリニックでは様々な種類の眼内レンズを取り扱っています。
多焦点眼内レンズの選択肢
多焦点眼内レンズは、遠くも近くも見やすくする特別なレンズです。
2025年現在、選定療養という枠組みで、手術代は保険診療、多焦点眼内レンズ代は自費という形で老眼治療を行うことができます。
専門クリニックでは、患者様の生活スタイルや視覚のニーズに合わせて、最適なレンズを提案することができます。
例えば、読書が趣味の方、パソコン作業が多い方、スポーツを楽しむ方など、それぞれの生活に合わせたレンズ選択が可能です。
乱視矯正用レンズの活用
白内障手術を行っても、角膜にある乱視は残ってしまいます。専門クリニックでは乱視矯正用の眼内レンズを使用することで、この問題を解決できます。
2024年の統計では、白内障手術の約40%で乱視矯正用の眼内レンズが使用されています。また、弱い乱視の場合でも、手術時の角膜切開創の位置を意図的に乱視を打ち消す方向に作成することで、残存乱視を弱めることが可能です。
あなたの目は一生もの。その大切な目のための手術だからこそ、様々な選択肢を提示してくれる専門クリニックでの手術をお勧めします。
どんな見え方を希望されますか?
専門クリニックの一貫した治療体制
白内障手術において、術前の検査から術後のフォローアップまで一貫した治療体制があることは非常に重要です。
大きな総合病院では、担当医が変わることも多く、また手術の予約も取りにくいことがあります。
一方、専門クリニックでは院長自らが診療から手術まで担当することが多く、患者様との信頼関係を築きながら治療を進めることができます。
当クリニックでは、患者様一人ひとりに合った治療をご提案するよう心がけています。市中病院および大学病院での15年間の診療経験を活かし、患者様に寄り添った診療を行っています。
丁寧な説明と適切な情報提供
専門クリニックでは、患者様と距離を縮めた診療を心がけています。模型や写真を使いながら分かりやすく説明し、質問しやすい環境を作ることで、患者様の不安を取り除きます。
白内障手術は人生でも数少ない重要な医療体験です。だからこそ、信頼できる医師から十分な説明を受け、納得した上で手術を受けることが大切なのです。
手術前のカウンセリングから術後のケアまで、同じ医師が一貫して担当することで、患者様は安心して治療に臨むことができます。これこそが、専門クリニックならではの強みと言えるでしょう。
術後の見え方と生活の質の向上
白内障手術の最終的な目的は、患者様の視力回復と生活の質の向上です。専門クリニックでの手術は、この点においても大きなメリットがあります。
ひと昔前までは、白内障手術は濁った水晶体を透明な人工眼内レンズに取り換えて見やすくするという基本的な目的でした。しかし、技術の進歩した現在では、見やすくすることは最小限の目標で、いかに付加価値をつけるかが重要になっています。
白内障手術で得られる付加価値
乱視の矯正:乱視矯正用の眼内レンズや手術時の工夫により、乱視を軽減
老眼の治療:多焦点眼内レンズにより、遠くも近くも見やすく
緑内障の治療:アイステントという緑内障治療用デバイスを同時に使用することで、眼圧低下を期待
これらの治療を保険診療内で行うためには、白内障手術と同時でなければならないケースが多いのです。白内障手術の機会を単なる白内障治療だけの機会にしないという考え方が広まりつつあります。
専門クリニックでは、こうした最新の治療オプションについての知識と経験が豊富であり、患者様一人ひとりのライフスタイルに合わせた最適な提案ができます。
手術後、「こんなにはっきり見えるようになるとは思わなかった」と喜ばれる患者様を多く見てきました。それは単に視力が回復しただけでなく、生活の質が向上したことへの喜びなのです。
まとめ:後悔しない医療機関選びのポイント
白内障手術を受ける医療機関を選ぶ際には、「通いやすさ」だけでなく「信頼して任せられるか」という点を重視することが大切です。
専門クリニックを選ぶメリットをまとめると以下のようになります:
執刀医の経験と実績が明確
最新の医療機器による安全で精密な手術
多焦点レンズや乱視矯正レンズなど、選択肢が豊富
診断から術後ケアまで一貫した治療体制
丁寧な説明と患者様一人ひとりに合わせた提案
白内障治療に加えて、乱視矯正や老眼治療などの付加価値
白内障手術をどこで受けるかは、これからの「見え方の人生」に直結する大切な選択です。知名度や規模だけで判断するのではなく、自分に合った治療ができるか、納得して決断できるかを基準に医療機関を選びましょう。
当クリニックでは、患者様一人ひとりの目の健康を守るため、きめ細やかな診察と分かりやすい説明を心がけ、適切な治療を提供しています。白内障でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
あなたの大切な目のために、最適な治療法をご提案いたします。
詳しい情報や診療時間については、梅の木眼科クリニックの公式サイトをご覧ください。
【著者情報】熊谷悠太
日本眼科学会認定 眼科専門医
2003年 聖マリアンナ医科大学医学部卒業、聖マリアンナ医科大学病院眼科学教室入局
2009年 聖マリアンナ医科大学大学院博士課程修了、桜ヶ丘中央病院眼科部長
2016年 聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院眼科主任医長
2019年 梅の木眼科クリニック開院

