白内障になりやすい人の特徴5選|体質・生活習慣・職業別に解説
2025/12/17
白内障は誰にでも起こりうる病気です
「最近、視界がかすんで見えにくい」「夜の運転がまぶしく感じる」――そんな症状に心当たりはありませんか?
白内障は、加齢とともに誰もがかかる可能性のある病気です。しかし、実は年齢だけでなく、生活習慣や体質、職業によってもリスクが大きく変わることをご存じでしょうか。
横浜市保土ケ谷区の梅の木眼科クリニックでは、これまで多くの白内障患者様の診療と手術を行ってきました。その経験から、白内障になりやすい方には一定の傾向があることがわかっています。
この記事では、白内障になりやすい人の特徴を5つのカテゴリに分けて詳しく解説します。
ご自身やご家族が該当するかどうか、ぜひチェックしてみてください。
特徴1:年齢による影響|40代から始まるリスク
白内障の最も大きな要因は「加齢」です。
水晶体は目の中でレンズの役割を果たしていますが、長年にわたって紫外線を浴び続けることで、水晶体を構成するタンパク質が変性し、濁りが生じます。
統計によると、**50代で約40%、60代で約70%、80代ではほぼ100%**の方に白内障の症状が見られるとされています。早い方では40代から症状が現れることもあり、決して高齢者だけの病気ではありません。
加齢による白内障は「老人性白内障」と呼ばれ、水晶体の外側から徐々に濁りが進行するため、初期段階では自覚症状がほとんどありません。そのため、定期的な眼科検診が非常に重要です。
40代以降は定期検診を習慣に
40歳を過ぎたら、症状がなくても年に1回は眼科を受診することをおすすめします。
早期発見により、適切な時期に治療を開始できます。
特徴2:生活習慣によるリスク|喫煙・紫外線・飲酒
日々の生活習慣も、白内障のリスクに大きく影響します。
喫煙習慣がある方
喫煙によって発生する窒素酸化物は、水晶体のタンパク質に悪影響を与え、白内障の進行を早めることが明らかになっています。喫煙習慣のある方は、非喫煙者と比較して白内障のリスクが高まります。
禁煙は白内障予防だけでなく、全身の健康維持にもつながります。
強い紫外線を浴びる機会が多い方
紫外線は白内障の大きな危険因子です。強い紫外線を長期的に浴びると、活性酸素が増加し、水晶体のタンパク質が変質しやすくなります。
屋外での仕事やスポーツをされる方、紫外線の強い地域にお住まいの方は、**サングラスや帽子、日傘**などで目を保護することが重要です。
特にサングラスは紫外線カット率が高く、帽子と併用することで95~99%の紫外線をカットできます。
飲酒習慣がある方
近年の研究では、飲酒量の増加に伴い白内障手術のリスクが高まることが報告されています。特に生涯累積摂取量が一定以上になると、リスクが有意に増加することがわかっています。
適度な飲酒を心がけることが、白内障予防にもつながります。
特徴3:体質・既往歴によるリスク|糖尿病・アトピー
特定の病気や体質を持つ方は、白内障になりやすい傾向があります。
糖尿病の方
糖尿病の方は、健常者と比較して**約5倍**白内障になりやすいとされています。
高血糖が続くと、過剰なブドウ糖がタンパク質と結合する「糖化」が起こり、水晶体のタンパク質が変質します。特に60歳以下の方や女性、血糖コントロールが不良な方は、白内障が急激に進行することがあります。
糖尿病の方は、眼科での定期検診が特に重要です。白内障だけでなく、失明につながる糖尿病網膜症のリスクもあるため、早期発見・早期治療が欠かせません。
アトピー性皮膚炎の方
アトピー性皮膚炎を患っている方も、白内障のリスクが高まります。目の周りのアトピー部分を強くこすることで、物理的な刺激が水晶体に影響を与えると考えられています。
発症から10~15年後に白内障の症状が現れる可能性があるため、アトピーの方は目をこすらないよう注意し、定期的に眼科を受診することが大切です。
ステロイド薬を長期使用している方
全身疾患の治療や喘息などでステロイド薬(内服薬・吸入薬)を長期使用している方は、白内障のリスクが高まります。
ステロイドによる白内障は進行が早く、数ヶ月から1年程度で手術が必要になることもあります。
ステロイド使用中の方は、必ず定期的に眼科を受診し、眼圧や水晶体の状態をチェックしてもらいましょう。
特徴4:職業・環境によるリスク|屋外労働・デスクワーク
職業や働く環境も、白内障のリスクに影響します。
屋外で働く方
建設業、農業、漁業など、長時間屋外で働く方は、紫外線被曝量が多くなるため白内障のリスクが高まります。特に紫外線の強い時間帯や季節に屋外活動が多い方は、目の保護が欠かせません。
UVカット機能のあるサングラスやゴーグル、帽子を着用し、休憩時間には目を休めることを心がけましょう。
長時間のデスクワーク・スマートフォン使用
デスクワークやスマートフォンの長時間使用も、目に負担をかけます。30cm以下の近距離での作業が長時間続くと、目の疲労が蓄積し、水晶体への影響が懸念されます。
また、スマートフォンやパソコンから発せられるブルーライトも、水晶体を傷つける原因になります。
ブルーライトカット機能のあるメガネやフィルムを使用し、1時間に10分程度の休憩を取ることが推奨されます。
高温環境で働く方
近年の研究では、高温環境も白内障リスクを高める可能性が示されています。水晶体温度が37度以上の熱負荷が続くと、核白内障のリスクが増すことが明らかになっています。
熱帯地域や高温の作業環境で働く方、熱中症の既往がある方は、特に注意が必要です。
特徴5:遺伝・家族歴によるリスク
白内障には遺伝的な要因も関与しています。
血縁者に白内障の方がいる場合、いない場合と比較して白内障になる確率が高いことがわかっています。特に先天性白内障の一部には、明らかな遺伝性が認められています。
ご両親やご兄弟に白内障の方がいる場合は、早めに眼科を受診し、定期的に検査を受けることをおすすめします。遺伝的なリスクがあっても、早期発見と適切な予防により、進行を遅らせることが可能です。
白内障の予防と早期発見のために
白内障は完全に予防することは難しいですが、リスクを減らすことは可能です。
**禁煙**、**紫外線対策**、**適度な運動とバランスの良い食事**、**糖尿病の管理**、**目をこすらない**、**定期的な眼科検診**――これらを心がけることで、白内障の発症や進行を遅らせることができます。
また、ビタミンE・C・B2などの抗酸化物質を積極的に摂取することも、白内障予防に効果があるとの報告があります。
白内障の治療は手術が唯一の根本的解決法です
白内障は、点眼薬で進行を遅らせることはできますが、濁った水晶体を元に戻すことはできません。視力を回復させるには、**手術**が唯一の方法です。
梅の木眼科クリニックでは、日帰り白内障手術を行っています。手術時間はおよそ10分、局所麻酔で痛みも少なく、翌日からほぼ普段通りの生活が可能です。
また、単焦点レンズだけでなく、遠くも近くも自然に見える**多焦点眼内レンズ**も取り扱っており、患者様の生活スタイルやご希望に合わせて最適なレンズを選択できます。
診察から手術、術後のフォローまで、15年以上の経験を持つ熊谷悠太院長が一貫して担当します。安心してお任せください。
まとめ|見えづらさを感じたら早めの受診を
白内障になりやすい人の特徴を5つご紹介しました。
40代以降の方、喫煙・紫外線・飲酒習慣のある方、糖尿病やアトピーの方、屋外労働やデスクワークの方、家族歴のある方――これらに該当する方は、特に注意が必要です。
「少し見えにくい」「まぶしく感じる」といった小さな違和感も、白内障のサインかもしれません。我慢せず、早めに眼科を受診することが大切です。
梅の木眼科クリニックは、西谷駅から徒歩7分、駐車場も完備しています。白内障や目の不調でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
あなたの「見える喜び」を取り戻すお手伝いをさせていただきます。
【著者情報】熊谷悠太
日本眼科学会認定 眼科専門医
2003年 聖マリアンナ医科大学医学部卒業、聖マリアンナ医科大学病院眼科学教室入局
2009年 聖マリアンナ医科大学大学院博士課程修了、桜ヶ丘中央病院眼科部長
2016年 聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院眼科主任医長
2019年 梅の木眼科クリニック開院


