疲れ目と白内障の関係|眼精疲労が悪化する理由と改善のポイント
2026/01/20
最近、目の疲れが取れにくくなっていませんか?
「夕方になると目がかすむ」「スマホを見ていると目が重たくなる」「肩こりや頭痛が続いている」・・・
こうした症状に心当たりがある方は、単なる疲れ目だけでなく、白内障が関係している可能性があります。
白内障というと「高齢者の病気」というイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、実は40代・50代でも発症することがあり、眼精疲労の原因になっているケースも少なくありません。
この記事では、疲れ目と白内障の関係について詳しく解説し、眼精疲労が悪化する理由と改善のポイントをお伝えします。
疲れ目と眼精疲労の違いとは
まず、「疲れ目」と「眼精疲労」の違いを理解しておくことが大切です。
疲れ目は、目を使いすぎたときに感じる一時的な疲労感のことです。休憩や睡眠をとることで回復し、目薬を使うことで症状が緩和されます。
デスクワークやスマホの長時間使用など、視作業が続くと誰でも経験する症状です。
一方、眼精疲労は、休息をとっても目の疲れが回復せず、さらに頭痛や肩こり、吐き気などの全身症状を伴う状態を指します。
眼精疲労の主な症状には、以下のようなものがあります。
目がショボショボする、目が重くなる
目の奥が痛む
目がかすんだりぼやける
視点を移動したときすぐにピントが合わない
目が充血する、目が乾く
普段よりまぶしさを感じる
肩や首がこる、頭痛がする
けだるさ(倦怠感)、めまいやふらつき
吐き気がする
これらの症状が慢性的に続く場合、単なる疲れ目ではなく眼精疲労の可能性があります。そして、その背景には白内障などの目の病気が隠れていることもあるのです。
眼精疲労を引き起こす主な原因
眼精疲労は、さまざまな原因によって引き起こされます。
長時間の目の酷使が最も一般的な原因です。パソコンやスマートフォンの画面を長時間見続けることで、目のピント調節を行う毛様体筋が疲労します。
視力矯正器具が合っていない場合も、眼精疲労の原因になります。
メガネやコンタクトレンズの度数が適切でないと、無理にピントを合わせようとして目に負担がかかります。
ドライアイや眼瞼下垂など他の眼疾患も、眼精疲労を引き起こす要因です。涙の量が減って目が乾くと、ものがはっきり見えにくくなり、毛様体筋に負担がかかります。
そして、白内障などの眼疾患による視力低下も、眼精疲労の重要な原因の一つです。
白内障が眼精疲労を引き起こすメカニズム
白内障は、目の中でピントを調整する水晶体が白く濁る病気です。
カメラのレンズにたとえられる水晶体が濁ると、光の透過性が落ちてしまいます。その結果、さまざまな視覚症状が現れ、眼精疲労につながるのです。
光の乱反射によるまぶしさ
白内障になると、水晶体の濁り方は均一ではなく、偏在的だったり部分的に濃淡があったりします。
この状態で光が当たると乱反射してしまい、「眩しく見える」という症状が起きます。特に夜間の運転時に、ヘッドライトや街灯の光をまぶしく感じやすくなります。
このような眩しさが頻繁に起きると、目に大きな負担がかかり、眼精疲労につながります。
ピント調節機能の低下
ものがはっきりと見えるのは、ピント合わせがうまくいっているからです。
ピントを合わせるためには、水晶体の厚みを調整する必要があります。しかし、白内障になると、単に視力が落ちるばかりか、水晶体の厚みや硬さが増してしまい、ピント合わせが難しくなります。
その状態でものを見ようとすると、毛様体筋は頑張って収縮を繰り返してしまいます。筋肉をずっと使い続けると疲れてしまうのと同じように、眼精疲労が起きるのです。
私たちは普段、意識することなく目の筋肉を使っていますが、白内障によって想像以上に目に負担をかけていることがあります。
視力低下による目の酷使
白内障が進行すると、視力が低下します。
視力が低下した状態でものを見ようとすると、無理にピントを合わせようとして目を酷使することになります。この状態が続くと、目の疲労が蓄積し、眼精疲労へと発展します。
特に、後嚢下白内障の場合は、初期から水晶体の中央付近がスリガラス状に濁るため、視力低下を自覚しやすく、早い段階から眼精疲労を感じることがあります。
白内障の初期症状と見逃しやすいサイン
白内障は、初期段階ではこれといった兆候が現れないことがほとんどです。
加齢性白内障の場合、症状は徐々に悪化していくため、すぐに自覚することはありません。見えにくさや違和感があってもそのままにしていて、10年以上経過したというケースもあります。
白内障の代表的な症状
白内障が進行してくると、次のような症状が現れます。
目がかすむ:水晶体が白く濁ることで光の透過性が落ち、ものがかすんで見える
視力が低下する:濁りが中心部に到達すると視力低下を実感する
光をまぶしく感じる:光が散乱し、夜間の信号や街灯がまぶしく感じる
眼鏡の度が合わなくなる:核白内障では近視が進行し、頻繁に度数調整が必要になる
ものが二重に見える:濁っている部分と透明な部分で光の進行方向が変わる
目が疲れやすい:ピント調節に負担がかかり、眼精疲労が起こりやすくなる
これらの症状に心当たりがある場合は、早めに眼科を受診することをお勧めします。
片目だけの症状にも注意
白内障は、両目が同時期に発症することも、片目から発症することもあります。
片目から発症した場合や、両目とも発症しているが片目だけ進行の速度が速い場合は、もう一方の目で自然と視力を補うことができるため、すぐに日常生活に大きく支障をきたすことは少ないでしょう。
しかし、このような状態でも目には負担がかかっており、眼精疲労の原因になっている可能性があります。
白内障手術で眼精疲労は改善するのか
白内障によって眼精疲労になっている場合、手術を受ければ解消できるのでしょうか?
答えは、「部分的には改善する」です。
手術による改善効果
白内障手術では、濁った水晶体を取り除いて、代わりに眼内レンズを入れます。
光の乱反射や毛様体筋の酷使による眼精疲労は、手術によってなくなると言えるでしょう。視界の明るさやコントラスト感度が改善し、ピント調節の負担も軽減されます。
さらに、白内障手術には以下のような副次的な良い効果があることが研究で示されています。
バランス感覚の向上
認知機能の維持・改善
うつ症状の軽減
転倒や骨折のリスク低減
これらの効果は、生活の質を大きく向上させる可能性があります。
手術後の眼精疲労について
しかし、手術後に眼精疲労がまったくなくなるかというと、そうではありません。
白内障手術では、「単焦点眼内レンズ」か「多焦点眼内レンズ」を選択することになります。単焦点は焦点が1箇所にのみ合うレンズで、多焦点は複数に焦点が合うレンズです。
どちらを選ぶにせよ、手術前と後ではやはり見え方が変わります。ほとんど違和感のない方もいらっしゃいますが、気になる方だと眼精疲労が起きやすい傾向にあります。
ただし、術後に起きる眼精疲労の原因は「見え方への違和感」です。
多くの人は数日から数週間ほど、長くても数ヵ月ほどで慣れて、眼精疲労も起こりにくくなりますのでご安心ください。
手術のタイミングと両目治療の重要性
白内障手術を片目だけ行った場合、左右の視力や屈折度数に差が出てしまい、かえってバランスを崩して転倒しやすくなるケースもあります。
研究では、手術と手術の間に転倒によるケガが急増したとの報告もあり、「両眼同時手術」や「早期の2回目手術」が有効と考えられています。
手術のタイミングや方法については、患者様の生活スタイルや目の状態を総合的に判断して決定する必要があります。
眼精疲労を改善するための日常的な対策
白内障が原因でない場合や、手術までの期間、眼精疲労を軽減するための日常的な対策があります。
目を休める習慣をつくる
長時間のパソコン作業やスマホ使用は、目に大きな負担をかけます。
1時間に10分程度の休憩を取り、遠くをぼんやり見ることで目の緊張をやわらげることができます。遠くを見ることは、目のピント調節筋をリラックスさせるため、眼精疲労の対策に効果的です。
作業環境を整える
照明の明るさや位置を調整し、画面のまぶしさを軽減することも重要です。
厚生労働省のガイドラインでは、照度・採光の調整が行える照明の設置や、グレア(視界の中のまぶしさ)を防止する対策が推奨されています。
また、背もたれや高さ調節が可能な椅子を使用し、姿勢を正すことで首や肩の負担を軽減できます。
エアコンの風が直接目に当たらないようにすることも、ドライアイ予防に効果的です。
適切な視力矯正を行う
メガネやコンタクトレンズの度数が合っていないと、無理にピントを合わせようとして目に負担がかかります。
定期的に眼科で検査を受け、適切な度数に調整することが大切です。特に、白内障が進行している場合は、頻繁に度数が変わることがあるため、注意が必要です。
ドライアイ対策を行う
ドライアイは、涙によって目の表面が潤されず、目が乾燥してしまう症状です。
目が乾くと、ものがはっきり見えにくくなり、毛様体筋に負担がかかります。意識的にまばたきを増やしたり、目薬を使用したりすることで、ドライアイを予防できます。
ストレス管理と生活習慣の改善
精神的なストレスも眼精疲労の原因の一つです。
ストレスによって交感神経が優位になると涙の分泌量が減り、ドライアイになって目の乾燥をもたらします。適度な運動や趣味の時間を持つことで、ストレスを軽減できます。
また、十分な睡眠をとることも重要です。睡眠不足は自律神経のバランスを崩し、眼精疲労を悪化させる可能性があります。
梅の木眼科クリニックでの白内障治療
横浜市保土ケ谷区の梅の木眼科クリニックでは、白内障治療に特に力を入れています。
当院では、患者様の生活スタイルやご事情を丁寧に伺いながら、最適な手術時期とレンズ選びを一緒に考えます。
日帰り白内障手術の特徴
白内障手術は院内で日帰り手術として実施しており、手術時間はおよそ10分です。
局所麻酔で痛みも少なく、翌日からほぼ普段通りの生活を送ることが可能です。また、創口は縫合を必要とせず自己閉鎖するため、身体への負担も軽減されています。
眼内レンズの選択肢
当院では、単焦点レンズ・多焦点レンズのどちらも取り扱っています。
「できれば老眼鏡をかけたくない」「遠くも近くも自然に見えるようにしたい」という希望に応える多焦点眼内レンズも選択できます。
患者様の目の状態・生活の質・希望の見え方をもとに最適なレンズを選択しています。
アクセスと診療体制
当院は、相鉄線「西谷駅」北口から徒歩7分の場所にあり、駐車場も3台完備しています。
白内障だけでなく、緑内障・加齢黄斑変性・糖尿病網膜症・眼瞼下垂症・小児眼科などにも対応しており、家族全員の「かかりつけ眼科」として安心して通えるクリニックです。
梅の木眼科クリニック
所在地:神奈川県横浜市保土ケ谷区西谷1-25-21
電話番号:045-371-2666
休診日:土曜午後・日曜・祝日
まとめ:疲れ目と白内障の関係を理解し、早めの対策を
疲れ目と白内障には密接な関係があります。
白内障による光の乱反射やピント調節機能の低下は、眼精疲労を引き起こす重要な原因の一つです。
休息をとっても目の疲れが回復しない、頭痛や肩こりなどの全身症状を伴う場合は、単なる疲れ目ではなく眼精疲労の可能性があります。
白内障は、80代になるとほぼ全ての方に発症する自然な変化ですが、40代・50代でも発症することがあります。早期に発見することで、点眼治療により進行を遅らせることができる場合もあります。
白内障手術は、視力を回復させるだけでなく、眼精疲労の軽減、生活の質の向上、転倒や骨折のリスク低減など、さまざまな効果をもたらす可能性があります。
「最近、視界がかすむ」「まぶしく感じる」「夜の運転が不安」「目の疲れが取れない」・・・
これらの症状に心当たりがある方は、早めに眼科を受診することをお勧めします。
梅の木眼科クリニックでは、患者様の不安を丁寧に取り除き、"見える喜び"を再び感じていただける医療を提供しています。白内障や目の不調でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
見えづらさをあきらめず、適切なタイミングで治療を受けることで、生活の質を大きく変えることができます。
【著者情報】熊谷悠太
日本眼科学会認定眼科専門医
2003年 聖マリアンナ医科大学医学部卒業、聖マリアンナ医科大学病院眼科学教室入局
2009年 聖マリアンナ医科大学大学院博士課程修了、桜ヶ丘中央病院眼科部長
2016年 聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院眼科主任医長
2019年 梅の木眼科クリニック開院

