白内障でも運転していい?危険な見え方と夜間運転の注意点とは
2026/02/09
白内障が運転に与える影響とは
「最近、夜の運転が怖くなってきた」「対向車のライトが異常にまぶしい」・・・
こんな症状に心当たりはありませんか?
白内障は加齢とともに誰にでも起こりうる病気です。目の中の水晶体が濁ることで、視界がかすんだり、光がまぶしく感じられたりします。
80歳代ではほぼ100%の方に何らかの白内障が見られるといわれており、決して他人事ではありません。
特に運転においては、白内障による視力低下が重大な事故につながる可能性があります。
信号や標識の見落とし、歩行者の発見の遅れ、車間距離の誤認など、安全運転に必要な視覚情報を正確に得られなくなるのです。
視界全体がぼやけることで、色のコントラストが低下します。赤や青の認識力が落ち、信号待ちの際に誤認する可能性が高まるのです。
また、トンネルの出入り口や明るい場所から暗い場所への移動時に、目の適応が遅れて反応速度が鈍くなります。
年齢に伴う反射神経の低下とも重なり、重大な事故につながるリスクを高めてしまいます。
運転を続ける上で見え方に少しでも不安を感じたときは、眼科で相談することが安全につながります。
夜間運転で現れる危険なサイン
昼間の運転では違和感を覚えなくても、夜間になると白内障の影響が顕著になるケースが目立ちます。
ハロー現象とグレア現象
対向車のヘッドライトが強くにじみ、光の輪が広がって見える「ハロー現象」や、光が必要以上にまぶしく感じる「グレア現象」が現れやすくなります。これらは白内障特有の症状です。
水晶体が濁ると、光が散乱しやすくなります。その結果、本来なら一点に集まる光が乱れて網膜に届き、視界全体がギラついたり、まぶしく感じるのです。
特に夜間の街灯や対向車のヘッドライト、晴れた日の強い太陽光、雨の日や曇天で路面が光を反射しているときに症状が強く出やすくなります。
暗い場所での視認性低下
暗い道路で標識や白線が見えづらく、判断が遅れてブレーキ操作が遅れることも起こります。夜間にこれらの症状を自覚した場合は、白内障の進行が疑われます。
また、暗順応が遅くなるため、トンネル出口や街灯が少ない道で視界を失う恐怖を感じる方もいらっしゃいます。
白内障のサインを感じた際は「年齢のせい」と軽視せず、眼科での診察を受けることが重要です。
症状が進む前に対処することで、安全に運転を続けやすくなります。
運転免許更新と視力基準
白内障が進行すると、運転免許の更新にも影響が出てきます。免許更新には、運転する車種によって異なる視力基準が設けられているのです。
普通免許に必要な視力条件
普通免許や二輪免許、大型特殊免許では、両眼で0.7以上かつ片眼で0.3以上が求められます。
片眼の視力が0.3に満たない場合でも、もう一方の眼の視野が左右150度以上あり、視力が0.7以上であれば基準を満たします。
眼鏡やコンタクトレンズで矯正しても、濁りが強い場合は基準を満たせないことがあります。視力が基準に満たない場合、免許の更新ができなくなる可能性があるため注意が必要です。
更新期限が迫る場合の対処法
更新期限が迫っているのに視力が基準を満たさない場合、まずは眼科を受診して白内障の状態を確認することが大切です。
更新期限が過ぎてしまった場合でも、手術によって視力が回復すれば、免許の再取得が可能になります。(一時的に免許は失効となるため、再取得するまでは運転はできません。また、ゴールド免許などは失効となります。)
手術のタイミングや術後の視力回復には個人差がありますので、余裕を持って眼科に相談することをおすすめします。
白内障手術が運転に役立つ理由
白内障手術は、濁った水晶体を取り除き、人工の眼内レンズを挿入する治療法です。視力が回復することで、安全運転が可能になります。
視力回復による安全性向上
手術によって視界のかすみやまぶしさが改善し、多くの方が「景色の色が鮮やかに見えるようになった」「標識や信号がはっきり見える」と実感されています。
これにより運転の安全性はもちろん、日常生活全体の快適さも大きく向上します。
道路標識や信号、歩行者などをはっきりと認識できるようになり、安全運転につながります。事故のリスクが低下し、より安心して運転を楽しむことができるのです。
年間多数行われる安全性の高い手術
白内障手術は、年間約120万件行われており、誰もが経験する手術といっても過言ではありません。手術時間は約10分程度と短く、日帰りで可能な場合がほとんどです。
当院では、局所麻酔による短時間の日帰り手術を基本とし、患者様の身体的・精神的負担をできる限り軽減することを大切にしています。
創口は縫合せず自然閉鎖するため、術後の回復も比較的早いのが特徴です。
多くの方が翌日から日常生活に近い状態でお過ごしいただけます。
眼内レンズの選択肢
術後の見え方に大きく関わる眼内レンズ選択についても、十分な説明を行っています。
保険診療で使用される単焦点眼内レンズに加え、眼鏡への依存を減らしたい方には、多焦点眼内レンズという選択肢もあります。
患者様のライフスタイルや見え方のご希望を丁寧に伺い、納得いただいたうえでレンズを選択していただくことを重視しています。
手術後の運転再開について
白内障手術を受けた後、いつから運転を再開できるのか気になる方も多いでしょう。
運転再開のタイミング
一般的には、手術翌日から数日で視力が改善し始める方が多いですが、見え方が安定するまでには個人差があります。
眼科医が行う翌日の診察や1週間後の検査で視力が十分に回復していれば、運転再開が可能となるケースが多いです。
ただし、手術した目の回復具合や反対側の目の状態によっても異なるため、必ず医師の指示に従うことが重要です。
術後の注意点
手術後1週間は強く眼をこすることや圧迫を避け、処方された点眼薬を指示通りに使用してください。
感染予防のためプールや温泉はしばらく(1カ月程度)控えることが必要です。
視力が安定するまでは夜間の運転を避けることをおすすめします。
段階的な運転再開
運転の再開は段階的に行うことをおすすめします。最初は短距離の昼間の運転から始め、徐々に距離や時間帯を拡大していくといった方法が有効です。
運転再開後も、見え方が完全に安定するまでは注意が必要です。夜間運転は慎重に行い、長時間の運転は避けましょう。
違和感を感じたら無理をせず、すぐに休憩することが大切です。
安全に運転を続けるための心がけ
白内障の症状を感じたら、早めの対処が大切です。
定期的な視力検査を欠かさない
定期的な眼科検診を受けることで、白内障の早期発見につながります。
視力の変化に気づきにくいこともあるため、自覚症状がなくても定期的に検査を受けることが重要です。
夜間運転のリスクを理解する
夜間や雨天時の運転で危険を感じる方は、無理をせず運転を控える判断が求められます。白内障が進行している兆候であり、視力の低下が進むと小さな判断ミスが重大事故につながります。
家族や周囲のサポートを受ける
視力の変化は自分では気づきにくいこともあります。家族や周囲の方に運転時の様子を見てもらい、気になる点があれば教えてもらうことも大切です。
安全第一で無理をしない判断が重要
視界がかすむ、ものが二重に見える、暗い場所での運転が怖いと感じるなどの症状が出始めた場合、運転を控える判断が求められます。
特に夜間や雨の日の走行で危険を感じるようであれば、早めに眼科を受診しましょう。
梅の木眼科クリニックの白内障治療
梅の木眼科クリニックでは、横浜市に根ざした眼科として、白内障の早期発見から治療、術後のフォローまで一貫した医療提供を行っています。
白内障治療においては、「すぐに手術を行うべきかどうか」を一方的に決めるのではなく、見えにくさによる生活への影響やご本人のご希望を重視しています。
点眼治療による経過観察が適している場合もあれば、日常生活に支障が出ている場合には、日帰り白内障手術をご提案することもあります。
万が一の合併症にも対応できる硝子体手術設備を整えており、より安全性を重視した白内障手術体制を構築しています。
手術に対する不安が強い方には、緊張を和らげる目的で笑気麻酔の導入も行っており、安心して治療を受けていただける環境づくりに努めています。
梅の木眼科クリニックは、白内障による「見えにくさ」を改善することだけでなく、手術後の生活がより快適になることをゴールとしています。
横浜市で白内障治療をご検討の方は、まずはお気軽にご相談ください。
まとめ
白内障は加齢とともに誰にでも起こりうる病気であり、運転に深刻な影響を及ぼします。
視界のかすみやまぶしさによって信号や標識を見落とす危険が増え、交通事故のリスクが高まるのです。
特に夜間運転では、ハロー現象やグレア現象といった危険なサインが現れやすくなります。これらの症状を感じたら、早めに眼科を受診することが大切です。
白内障手術によって視力が回復すれば、安全に運転を続けることができます。手術は年間約120万件行われており、安全性の高い治療法です。
術後は段階的に運転を再開し、定期的な検診を受けることで、安心してカーライフを楽しむことができます。
「最近見えづらい」「光がまぶしい」「運転が不安」といった症状を感じたら、まずは眼科に相談してみてください。
適切な治療で視界の改善が期待でき、日常生活の快適さを取り戻せる可能性があります。
横浜市で白内障治療をお考えの方は、梅の木眼科クリニックへお気軽にご相談ください。
患者様の目と日常生活に寄り添った治療を提供しています。
【著者情報】熊谷悠太
日本眼科学会認定眼科専門医
2003年 聖マリアンナ医科大学医学部卒業、聖マリアンナ医科大学病院眼科学教室入局
2009年 聖マリアンナ医科大学大学院博士課程修了、桜ヶ丘中央病院眼科部長
2016年 聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院眼科主任医長
2019年 梅の木眼科クリニック開院

