コンタクトレンズの定期検査はなぜ必要?受診頻度の目安と確認ポイント
2026/07/22
コンタクトレンズの定期検査とは何か?
コンタクトレンズの定期検査とは、装用中の目の健康状態・レンズのフィッティング・視力の変化を定期的に眼科医が確認する検査です。
コンタクトレンズは高度管理医療機器(クラスⅢ)に分類されており、不具合が生じた場合に人体へのリスクが比較的高いとされています。そのため、処方時だけでなく使用継続中も定期的な眼科受診が必要です。
公益社団法人 日本眼科医会は、コンタクトレンズが「直接眼球に触れて使用する高度管理医療機器」であることを明示し、処方後も定期的な眼科受診の重要性を強調しています。
なぜ自覚症状がなくても定期検査が必要なのか?
自覚症状がなくても、眼障害はコンタクトレンズ装用者の10人に1人の割合で発生しています。
眼障害のほとんどは初期症状がなく、気づいたときには病状が進行していることがあります。
特にソフトコンタクトレンズは装用感がよいため、痛みや違和感を感じにくく、眼病の発見が遅れやすい傾向があります。定期検査を受けることで、自覚できない段階の異常を早期に発見できます。
眼障害の主なリスク要因
レンズの汚れ・傷:肉眼では確認できない微細な汚れや傷が蓄積し、角膜障害や結膜炎の原因になります。
酸素不足:装用時間が長すぎると角膜への酸素供給が不足し、新生血管や感染症のリスクが高まります。
不適切なフィッティング:目のカーブとレンズのカーブが合っていないと、角膜を傷つける可能性があります。
度数のズレ:視力は加齢や生活環境によって変化するため、いつの間にか度数が合わなくなることがあります。
定期検査の受診頻度はどのくらいが目安か?
定期検査の受診頻度は、終日装用の場合は3ヶ月から6ヶ月に1回が一般的な目安です。連続装用(夜間も装用するタイプ)の場合は1ヶ月に1回が推奨されます。
装用タイプ別の受診頻度の目安
1日使い捨てレンズ(1DAY):3ヶ月に1回を目安に受診する。
2週間交換レンズ(2WEEK):3ヶ月に1回を目安に受診する。レンズの汚れ・傷の確認が特に重要。
ハードコンタクトレンズ:3ヶ月に1回を目安に受診する。長期使用タイプのため、レンズの変形・劣化チェックも必要。
連続装用レンズ:1ヶ月に1回の受診が推奨される。
ただし、これらはあくまで目安です。目の状態や眼科医の指示によっては、より短い間隔での受診が必要になる場合があります。眼科医の指示を最優先に従ってください。
定期検査では何を確認するのか?
定期検査では、視力検査・レンズのフィッティング確認・目の表面の状態チェックなど、複数の検査が行われます。
主な検査内容は以下のとおりです。
視力検査:現在のコンタクトレンズの度数が適切かどうかを確認します。過矯正(強すぎる度数)も疲れ目や肩こりの原因になるため、正確な度数の確認が重要です。
フィッティング確認:レンズが角膜のカーブに適切にフィットしているかをスリットランプ(細隙灯顕微鏡)で確認します。
角膜の状態確認:角膜の傷・炎症・新生血管の有無を確認します。初期の角膜障害は自覚症状がないことが多いため、専門機器による観察が欠かせません。
涙の量・質の確認:ドライアイの有無を確認します。涙が少ないとレンズが乾燥しやすく、装用感の低下や角膜障害につながります。
レンズの状態確認:ハードレンズなど長期使用タイプは、肉眼では見えない汚れや傷が蓄積していないかを確認します。
当院(梅の木眼科クリニック)では、視力検査・フルオレセインを用いた顕微鏡検査による目の傷の確認・BUT検査による涙の質の検査・シルマー検査による涙の量の測定を必要に応じて実施しています。
ドライアイが疑われる場合は、涙点プラグ治療などの適切な治療につなげることができます。
定期検査を怠るとどうなるのか?
定期検査を受けないまま装用を続けると、角膜感染症・角膜潰瘍・新生血管増生など、最悪の場合は失明につながる重篤な眼障害を引き起こすリスクがあります。
日本眼科医会は「このような状態のまま、眼科も受診せずに少しでも放置すると失明に至る危険性もある」と明記しており、症状がなくても定期受診を強く推奨しています。
見逃されやすい眼障害のサイン
充血:軽度の充血は見過ごされやすいが、角膜への酸素不足や感染のサインである可能性があります。
視力の微妙な低下:度数のズレや角膜の変形が原因のことがあります。
乾燥感・異物感:ドライアイやレンズの汚れ・傷が原因のことがあります。
目やにの増加:感染性結膜炎や角膜炎の初期症状である可能性があります。
これらの症状が出た場合は、定期検査の時期を待たずにすぐに眼科を受診してください。コンタクトレンズの使用は一時中止し、メガネに切り替えることが大切です。
定期検査の費用はどのくらいかかるのか?
コンタクトレンズの定期検査にかかる費用は、保険適用で1,000円程度が目安とされています。
具体的な費用は受診する医療機関や検査内容によって異なりますが、一般的な定期検査(視力検査・眼科診察)であれば保険診療の範囲内で受診できます。
ただし、ドライアイや角膜炎など追加の治療が必要な場合は、別途費用が発生することがあります。
費用に関する注意点
持参:保険適用で受診するために必ずマイナンバーカードもしくは資格確認証を持参してください。
コンタクトレンズの持参:現在使用中のレンズを装用した状態で来院すると、フィッティングの確認がスムーズです。
処方箋の発行:新しいレンズを購入する場合は、処方箋(指示書)の発行が必要です。
当院では、コンタクトレンズ処方に際して使い捨てソフトコンタクトレンズおよびハードコンタクトレンズを取り扱っており、院内処方のみ対応しています。メガネとコンタクトレンズの同日処方は行っておらず、別日のご来院が必要です。
定期検査を受ける際に確認すべきポイントは何か?
定期検査を有効に活用するためには、受診前後にいくつかのポイントを確認しておくことが大切です。
受診前に準備すること
現在のレンズを装用して来院する:フィッティングの確認のため、できれば現在使用中のレンズを装用した状態で来院してください。
気になる症状をメモしておく:乾燥感・異物感・充血など、日常的に感じている違和感を事前にメモしておくと、診察がスムーズです。
使用中のレンズ情報を確認する:レンズの種類・度数・使用期間などを把握しておきましょう。
受診時に医師に伝えるべきこと
装用時間:1日何時間装用しているかを正直に伝えてください。長時間装用は眼障害リスクを高めます。
ケア方法:2WEEKやハードレンズの場合、洗浄・保存方法が適切かどうかを確認してもらいましょう。
生活環境の変化:パソコン作業の増加・エアコン環境・スポーツなど、目の使い方に変化があれば伝えてください。
全身疾患・内服薬:糖尿病・アレルギー疾患・内服薬はコンタクトレンズ装用に影響することがあります。
当院では、アレルギー性結膜炎やドライアイなど、コンタクトレンズ装用に影響する疾患の診断・治療も行っています。
コンタクトレンズ装用中に目のかゆみや乾燥感が気になる方は、定期検査のタイミングでぜひご相談ください。
コンタクトレンズ初心者が特に注意すべきことは何か?
コンタクトレンズを初めて使う方は、装用開始後の1週間・1ヶ月・3ヶ月の受診が特に重要です。
目がレンズに慣れていない初期段階は、異常が起きやすい時期です。
初めてコンタクトレンズを使う方へのアドバイス
装用時間を徐々に延ばす:最初から長時間装用せず、眼科医の指示に従って少しずつ装用時間を延ばしてください。
メガネも必ず用意する:目の調子が悪いときや目に傷がついたときのために、メガネは必ず用意しておきましょう。
ケア方法を正しく習得する:2WEEKやハードレンズは毎日の洗浄・保存が必要です。正しいケア方法を眼科で指導してもらいましょう。
異常を感じたらすぐ外す:痛み・充血・かすみなどの異常を感じたら、すぐにレンズを外して眼科を受診してください。
当院では、コンタクトレンズ装用が初めての方には事前に電話での予約をお願いしています。
ハードコンタクトレンズ希望の方も同様に、事前のご予約が必要です。初めての方でも安心して受診いただけるよう、丁寧な装用指導・ケア指導を行っています。
コンタクトレンズの定期検査や目の健康管理でお悩みの方は、眼科専門医による丁寧な診察を提供している梅の木眼科クリニックへお気軽にご相談ください。
神奈川県横浜市保土ヶ谷区西谷に位置し、相鉄本線西谷駅から徒歩7分とアクセスしやすい立地です。お子様からご高齢の方まで幅広い年齢層に対応しています。
よくある質問
コンタクトレンズの定期検査はどのくらいの頻度で受ければよいですか?
終日装用の場合は3ヶ月から6ヶ月に1回が目安です。
連続装用の場合は1ヶ月に1回が推奨されます。ただし、眼科医の指示がある場合はそれに従ってください。
目に症状がなくても定期検査は必要ですか?
症状がなくても定期検査は必要です。
眼障害の多くは初期症状がなく、コンタクトレンズ装用者の10人に1人の割合で眼障害が発生しているとされています。自覚症状がない段階での早期発見が大切です。
定期検査の費用はどのくらいかかりますか?
保険適用で1,000円程度が目安です。ただし、追加の検査や治療が必要な場合は別途費用が発生することがあります。
受診時には保険証を忘れずにお持ちください。
定期検査にはコンタクトレンズを装用して行ってよいですか?
装用した状態で来院することをおすすめします。フィッティングの確認のため、現在使用中のレンズを装用して来院するとスムーズです。ただし、眼科によって指示が異なる場合があるため、事前に確認してください。
コンタクトレンズをネット通販で購入している場合も定期検査は必要ですか?
はい、必要です。購入方法に関わらず、コンタクトレンズ装用中は定期的な眼科受診が必要です。ネット通販で購入している場合でも、3ヶ月から6ヶ月に1回を目安に眼科を受診してください。
定期検査を受けずにいるとどうなりますか?
角膜感染症・角膜潰瘍・新生血管増生など、最悪の場合は失明につながる重篤な眼障害を引き起こすリスクがあります。
自覚症状がなくても眼障害は進行することがあるため、定期受診が不可欠です。
1日使い捨てレンズ(1DAY)でも定期検査は必要ですか?
はい、必要です。1DAYレンズはレンズ自体の汚れ・傷の問題は少ないですが、目の状態・視力の変化・ドライアイなどは定期的に確認する必要があります。3ヶ月から6ヶ月に1回の受診を目安にしてください。
コンタクトレンズの度数は変わることがありますか?
はい、変わることがあります。視力は加齢・生活環境・目の疲れなどによって変化します。
度数が合わないまま装用を続けると、疲れ目・頭痛・肩こりの原因になることもあります。定期検査で適切な度数を確認しましょう。
コンタクトレンズ装用中に目がかゆい・充血するときはどうすればよいですか?
すぐにレンズを外して眼科を受診してください。かゆみや充血はアレルギー性結膜炎・感染症・角膜障害のサインである可能性があります。症状が軽くても放置せず、早めに受診することが大切です。
ハードコンタクトレンズとソフトコンタクトレンズで定期検査の内容は違いますか?
基本的な検査内容は共通ですが、ハードレンズはレンズの変形・劣化の確認が特に重要です。ソフトレンズは涙の量・乾燥のしやすさの確認が重視されます。どちらも3ヶ月から6ヶ月に1回の定期受診が推奨されます。
結論
コンタクトレンズの定期検査は、自覚症状の有無にかかわらず3ヶ月に1回の受診が基本です。
眼障害はコンタクトレンズ装用者の10人に1人に発生し、初期症状がないまま進行することが多いため、定期的な眼科受診による早期発見が失明予防の鍵となります。
「目の調子が良いから大丈夫」という判断は危険です。眼科専門医による定期検査を習慣化し、異常を感じた際はすぐに受診する行動が、長期的な目の健康を守ることにつながります。
【著者情報】熊谷悠太
日本眼科学会認定眼科専門医
2003年 聖マリアンナ医科大学医学部卒業、聖マリアンナ医科大学病院眼科学教室入局
2009年 聖マリアンナ医科大学大学院博士課程修了、桜ヶ丘中央病院眼科部長
2016年 聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院眼科主任医長
2019年 梅の木眼科クリニック開院

