医療法人柔敦

近視進行抑制治療メガネ、ミヨスマートとは?

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近視進行抑制治療メガネ、ミヨスマートとは?

近視進行抑制治療メガネ、ミヨスマートとは?

2026/07/14

近視抑制治療はメガネだけでもできます

新たに発売されたミヨスマートとは?

ミヨスマート(MiYOSMART)とは?近視進行抑制眼鏡のしくみと効果を眼科医が解説 | 梅の木眼科クリニック
近視進行抑制 / 子どもの目の健康

ミヨスマート(MiYOSMART)とは?
近視進行抑制眼鏡のしくみと
効果を眼科医が解説

梅の木眼科クリニック(横浜市保土ケ谷区)|院長 熊谷悠太
日本近視学会 2025年ガイドライン推奨レンズ
子どもの近視 MiYOSMART DIMS技術 近視管理用眼鏡 HOYA 保護者向け情報
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「子どもの近視が年々強くなっている」「将来、病的近視になるのが心配」というご相談を日々いただきます。
ミヨスマート(MiYOSMART)は、2025年に日本近視学会がガイドラインで正式推奨した近視進行抑制眼鏡です。本記事ではその機序・効果・費用・他の治療との比較を、眼科専門医の立場からわかりやすくお伝えします。
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近視が進行するとなぜ危険なのか

近視は単に「遠くが見えにくい」だけの問題ではありません。近視の本態は眼球の奥行き(眼軸長)が伸びることです。眼軸が伸びるほど、網膜が引き伸ばされ、将来的に以下のような重篤な目の病気のリスクが高まります。

網膜剥離・近視性黄斑変性:強度近視(−6D以上)になると、網膜が薄く引き伸ばされ、剥離や変性のリスクが大幅に上昇します。
緑内障リスクの上昇:強度近視は開放隅角緑内障の独立したリスク因子です。
社会生活への影響:強度近視は特定の職業(パイロット・自衛官等)の制限要件になる場合もあります。
📌
子どものころに近視の進行を最小限に抑えることが、将来の目の健康を守る最善の投資です。眼軸長の伸びは元に戻りません。だからこそ、早期の対策が重要なのです。
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ミヨスマートとは?DIMS技術のしくみ

ミヨスマート(MiYOSMART)は、HOYAビジョンケアと香港理工大学が共同開発した近視管理専用の眼鏡レンズです。2018年に発売されて以来、世界30カ国以上・100万人を超える子どもたちが装用しています。

その核心は D.I.M.S.(Defocus Incorporated Multiple Segments)技術 と呼ばれる独自の光学設計です。

明視ゾーン 通常の矯正 微小レンズ (+3.5D) 400個以上
DIMS技術の概念図:中央の明視ゾーン+周辺の微小レンズ(ハニカム状配置)

どうして眼鏡で近視が抑制できるの?

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レンズ中央部(明視ゾーン):通常の単焦点レンズと同じ矯正度数。普通に遠くがクリアに見えます。
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レンズ周辺部(微小レンズ群):直径約1mmの凸レンズ(+3.5D)が400個以上ハニカム状に配置。これらが意図的に網膜の手前でピントを結ばせる「近視性デフォーカス」を作り出します。
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近視進行の抑制:網膜の手前にピントが来る信号が「眼軸をこれ以上伸ばさなくてよい」というブレーキとして働き、眼球の成長(眼軸延長)を抑制します。
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見た目は普通の眼鏡とほとんど変わりません。周辺のセグメントはわずかに霧がかって見えることがありますが、慣れれば日常生活に支障はありません。UV・衝撃にも強いポリカーボネート素材です。
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臨床データ:どのくらい効果があるの?

ミヨスマートは香港理工大学・HOYAによる2年間の二重盲検ランダム化比較試験(RCT)でその効果が検証されました(Lam CSY, et al. British Journal of Ophthalmology, 2020)。8〜13歳の中国人小児183名を対象に、DIMS眼鏡群(93名)と通常の単焦点眼鏡群(90名)に割り付け、6ヶ月ごとに屈折・眼軸長を測定しました。

52%
近視進行を抑制
(等価球面度数、2年・共変量調整後)
62%
眼軸長の伸びを抑制
(2年・共変量調整後)
21.5%
近視進行ゼロ
(DIMS群、単焦点群は7.4%)
出典:Lam CSY, et al. Br J Ophthalmol. 2020;104:363–368. / 試験期間:2014年8月〜2017年7月(香港理工大学)

年齢による効果の差は?

論文では、年齢が高い子ども(10〜13歳)ほど効果が大きく、8〜9歳の低年齢ではやや効果が弱い傾向がありました(約80%の大きな進行例が低年齢群)。また、DIMS群の約13%は依然として1D以上の進行がみられており、すべてのお子さんに同等の効果が出るわけではありません。
なお、本RCTは中国人小児を対象としており、他の民族への適用についてはさらなる研究が必要とされています。リバウンドについては別途長期追跡研究(HOYAの6年フォローアップ)で検討されており、装用中止後に近視が急速に悪化するリバウンドは認められていない旨が報告されています。

日本での位置づけ(2025年)

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厚生労働省の要請を受け、日本近視学会が2025年に作成した近視管理用眼鏡ガイドライン第1版において、ミヨスマート(MiYOSMART)とStellest®(Nikon-Essilor社)が推奨レンズとして指定されています。日本国内での販売体制も順次整備中です。
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メリットとデメリット

✅ メリット
  • 眼鏡なので安全性が非常に高い
  • 点眼薬や就寝時装用が不要
  • 小さな子ども(幼児期後半〜)でも使いやすい
  • リバウンドがないことが証明されている
  • 視力が正しく矯正され、学校生活に支障なし
  • 他の治療(低濃度アトロピン等)との併用も検討可能
  • 副作用・合併症リスクが事実上ない
  • 紛失・破損時の交換が容易
⚠️ デメリット・注意点
  • 装用していない時間は効果がない(長時間装用が大切)
  • レンズ周辺部がわずかに霞む感覚がある(慣れます)
  • 通常の眼鏡より割高
  • 保険適用外・自由診療
  • 抑制率は個人差がある(全員に同一効果ではない)
  • 定期的な眼科受診による経過観察が必要
  • 乱視が強い場合は別途考慮が必要なことも
  • 斜視がある場合は適応外となることがある
装用時間が効果に直結します。 1日12時間以上の装用が推奨されます。登校・外遊び・勉強中など起きている間はできる限りかけ続けることが重要です。
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他の近視進行抑制治療との比較

現在、子どもの近視進行抑制として有効性が報告されている主な治療法は4つあります。それぞれ特徴が異なるため、お子さんの年齢・ライフスタイル・度数に合わせて選択します。なお、レッドライト療法(RLRL療法)で使用するEyerising機器は日本国内では薬事未承認の医療機器であり、万一の健康被害に対する公的救済制度(PMDA)の対象外となります。導入の際はその点もご理解の上でご検討ください。

比較項目 ミヨスマート
(DIMS眼鏡)
オルソケラトロジー
(夜用ハードCL)
低濃度アトロピン
点眼(リジュセア®)
レッドライト療法
(RLRL / Eyerising)
近視抑制効果(度数) 約52%(2年) 約30〜56%(2年) 約30〜70%(濃度による) 約75〜88%(2年)
眼軸長抑制 約62% 約30〜56% 約30〜50% 約69〜75%
対象年齢 6歳頃〜 7〜8歳頃〜 5〜6歳頃〜 8歳頃〜
使い方 日中に眼鏡をかける 就寝時にコンタクトを装用 就寝前に点眼1回 専用機器を1日2回・各3分のぞく(週5回)
裸眼視力の改善 なし(眼鏡で矯正) あり(日中は裸眼) なし なし
コンタクト管理 不要 毎日の洗浄管理が必要 不要 不要
副作用リスク 事実上なし 角膜感染症(まれ) 極めて少ない まぶしさ・残像(まれ)
保険適用 なし(自由診療) なし(自由診療) なし(自由診療) なし(自由診療・国内未承認機器)
初年度費用目安 約8万円程度(レンズ代、フレーム別) 7〜15万円程度 月3,000〜8,000円 月1〜2万円程度
リバウンドリスク なし(確認済) 中止後に近視再進行 軽度あり 中止後にリバウンドあり
👨‍⚕️ 院長コメント

4つの治療法はそれぞれ一長一短があり、「最も優れた1つ」というものはありません。スポーツを多くするお子さんで日中裸眼がご希望なら、オルソケラトロジーが向いている場合があります。眼鏡を普段からかけていて手軽に始めたい場合はミヨスマート、あるいはアトロピン点眼との併用も効果の上乗せが期待できます。レッドライト療法は高い抑制率が報告されていますが、国内未承認機器である点を踏まえた上でご検討いただく必要があります。当院では、度数・眼軸長・年齢・生活スタイルをもとに、お子さんに最適な治療をご提案しています。

梅の木眼科クリニック 院長 熊谷悠太
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費用・価格の目安

ミヨスマートは保険適用外の自由診療です。費用はレンズ代+フレーム代+定期検査の合計となります。

👓 レンズ代(両眼)
約8万円
フレーム代は別途必要です。通常の眼鏡より高くなりますが、効果の高い専用設計レンズのためです
📅 定期検査
3〜6カ月毎
眼軸長・視力・屈折の定期評価。効果判定と度数見直しを行います
💰
眼鏡一式で約8万円程度(レンズ代、フレーム別)かかります。オルソケラトロジー(初年度7〜15万円)と同程度の初期費用ですが、コンタクトレンズの消耗品費や管理の手間がないのが利点です。子どもの成長に伴い度数が変わるため、年1回程度のレンズ交換が必要になる場合があります。詳しい費用は、お子さんの状態を確認した上でお見積もりします。
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こんなお子さんに向いています

📈
年間0.5D以上の近視が進行していて、今後の悪化が心配なお子さん
👶
コンタクトレンズ管理が難しい年齢(6〜10歳頃)のお子さん
🏃
日中もしっかり眼鏡をかけているお子さん(装用時間が確保できる)
🏊
水泳などでオルソケラトロジー・コンタクトが使いにくいお子さん
🌙
夜間の装用(オルソ)を嫌がるお子さん
⚕️
副作用リスクを最小化しながら近視進行を抑えたいご家庭
⚠️
乱視が強いお子さん・近視度数が非常に強いお子さんはミヨスマートで十分な矯正が得られない場合もあります。また、斜視があるお子さんは適応外となる場合があります。斜視の有無は外見だけでは判断しにくいこともあるため、まずは眼科での詳しい検査が必要です。
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当院での診療の流れ

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初診・ご相談

まずは通常の診察でお子さんの近視の状態を確認します。精密検査(眼軸長測定・眼底検査など)は別途ご予約が必要です。ご希望の方はお申し出ください。

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治療の適応・方法のご説明

ミヨスマート・オルソケラトロジー・低濃度アトロピンなど、お子さんに最適な治療をご提案。保護者の方とともに方針を決定します。

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処方・眼鏡店への紹介

ミヨスマート対応の眼鏡店への処方箋をお渡しします。当院近隣の対応店もご案内可能です。

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定期経過観察(3〜6カ月毎)

眼軸長・視力の変化を継続的に評価。効果が不十分な場合は治療法の見直し・調整を行います。

5

必要に応じたレンズ度数の見直し

定期検査の結果をもとに、度数変化が大きい場合にレンズを更新します。近視の進行が落ち着くまで(通常18〜20歳頃)継続的に経過を見ていきます。

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よくあるご質問

Q 何歳から使えますか?
A 臨床試験は8〜13歳を対象に行われていますが、眼鏡を正しくかけられるのであれば6歳頃から使用可能とされています。早期介入ほど将来の強度近視リスクを下げる観点から、「眼鏡が必要になったタイミング」での導入をお勧めします。
Q アトロピン点眼と一緒に使えますか?
A 併用に関する研究も進んでいます。単独よりも効果が高い可能性があり、近視の進行が速いお子さんでは組み合わせを提案することがあります。ただし個別の判断が必要なため、診察の上でご相談ください。
Q やめた後に近視が急に進みませんか?(リバウンド)
A HOYAの長期追跡研究(6年フォローアップ)において、装用中止後に近視が急速に悪化するリバウンドは認められていないと報告されています。中止後の近視進行速度は通常の子どもと同程度であったとされており、これはミヨスマートの利点のひとつです。ただし、元々の近視自然進行は継続します。
Q いつまで使い続ける必要がありますか?
A 近視は一般的に18〜20歳頃に進行が落ち着きます。それまでの継続使用が推奨されます。定期的な眼軸長測定で近視進行が安定してきたら、担当医と相談の上で方針を変更します。
Q 他の近視進行抑制治療と併用できますか?
A 低濃度アトロピン点眼(リジュセア®)との併用は研究が進んでおり、単独よりも効果の上乗せが期待できる可能性があります。一方、オルソケラトロジー(夜間コンタクト)はそれ自体が日中の裸眼視力を確保するため、ミヨスマートとの同時使用は通常行いません。お子さんの近視の進行具合によって最適な組み合わせは異なりますので、診察の上でご相談ください。
Q どこで買えますか?眼鏡屋さんに直接行けばいいですか?
A まず眼科での精密検査・処方が必要です。眼鏡店に処方箋なしで直接行っても適切な度数が出ない可能性があります。当院で処方を行い、ミヨスマート取り扱い店をご紹介します。

お子さんの近視が気になる方へ

「近視の進み方が早い」「将来、目が悪くなりすぎないか心配」
そのようなご不安は、ぜひ梅の木眼科クリニックへご相談ください。
眼軸長測定を含む詳しい検査で、最適な治療法をご提案します。

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※ 本記事に記載の効果・データは公表された学術論文・メーカー資料に基づいています。個人差があり、すべての方に同等の効果が得られるとは限りません。
※ ミヨスマートは自由診療(保険適用外)です。費用は予告なく変更される場合があります。
※ 本記事は医療情報の提供を目的としており、特定の治療を推奨・保証するものではありません。治療の選択は必ず医師との相談のもとで行ってください。
参考文献:Lam CSY, Tang WC, Tse DY, et al. Defocus Incorporated Multiple Segments (DIMS) spectacle lenses slow myopia progression: a 2-year randomised clinical trial. Br J Ophthalmol. 2020;104:363–368. doi:10.1136/bjophthalmol-2018-313739 / HOYA MiYOSMART 6-year follow-up study / 日本近視学会 近視進行抑制治療ガイドライン第1版 2025

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梅の木眼科クリニック
住所 : 神奈川県横浜市保土ケ谷区西谷1-25-21 ポンデロッサ西谷1F・2F
電話番号 : 045-371-2666


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