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近視治療の選択肢ーレッドライト治療=とは?〈横浜市 梅の木眼科クリニック〉

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近視治療の選択肢ーレッドライト治療=とは?〈横浜市 梅の木眼科クリニック〉

近視治療の選択肢ーレッドライト治療=とは?〈横浜市 梅の木眼科クリニック〉

2026/09/24

レッドライト治療(RLRL療法)とは? ― 子どもの近視進行を抑える新しい選択肢|梅の木眼科クリニック
近視進行抑制シリーズ

レッドライト治療(RLRL療法)とは?
― お子さまの近視の進行を抑える新しい選択肢

「赤い光を覗くだけ」で近視の進みを抑える。世界で注目される治療を、やさしく・正確に解説します。

👁️
監修:梅の木眼科クリニック 院長 熊谷悠太
本記事は院長が最新の医学論文を確認のうえ作成しています。
お子さまの近視が「思ったより早く進む」と感じたことはありませんか。近視は一度進むと元には戻りません。だからこそ、進行そのものをゆるやかにすることが大切です。その新しい方法のひとつが、家庭で赤色光を覗くレッドライト治療(RLRL療法)です。この記事では、仕組み・効果・安全性を、根拠となる論文の出典とともに整理します。

1そもそも、近視の「進行」はなぜ問題?

近視の多くは、眼球が前後に長く伸びる(眼軸長〈がんじくちょう〉が伸びる)ことで起こります。身長が伸びるように眼も成長期に伸びますが、伸びすぎるとピントが手前に合ってしまい、遠くがぼやけます。

問題は「メガネで見えれば良い」だけでは終わらない点です。眼軸が長い強度近視になるほど、大人になってから緑内障・網膜剥離・近視性黄斑症など、将来の目の病気のリスクが高まることが知られています5。だからこそ、子どものうちに眼軸の伸びをできるだけ抑えることが、近視治療の大きな目標になっています。

💡 ポイント
近視治療のゴールは「今の見え方」だけでなく、将来の目の病気のリスクを下げること。そのカギが眼軸の伸びのコントロールです。

2レッドライト治療(RLRL療法)とは

RLRL療法(Repeated Low-Level Red-Light therapy=反復低出力赤色光療法)は、波長650nm前後の赤い光(可視光)を、専用の卓上機器で短時間くり返し覗き込む治療です。目薬でもレーザー手術でもなく、痛みのない「光を見る」だけの方法で、家庭で行えるのが特徴です。

光の波長
650
nm(赤色・可視光)
1回の時間
3
分/回
回数
2
回/日(4時間以上あける)
頻度
週5
日を目安に継続

2014年に赤色光が眼軸の伸びを抑える可能性が見いだされ、2022年に眼科分野の代表的な学術誌 Ophthalmology に大規模な臨床試験の結果が報告されたことで、世界的に注目されるようになりました1。使用される代表的な機器は、オーストラリアのEyerising International社が製造する家庭用デバイス「Eyerising(アイライジング)」です6,7

3どうやって効くの?(仕組み)

赤色光を見ると、眼の奥にある脈絡膜〈みゃくらくまく〉(網膜の外側にある血管が豊富な膜)の血流が増え、厚みが増すことが、複数のヒト研究で確認されています1,3。脈絡膜が厚くなると、眼軸が伸びにくい方向へ働くと考えられています。これが現時点でもっとも有力とされる仕組みです。

赤色光・近赤外光が皮膚や組織、ミトコンドリアに作用し、ATP産生や細胞内シグナルを介して炎症・微小循環・組織修復・神経機能などに影響するとされる、提唱されている作用機序の図。下部に照射量と生体応答の関係を示す概念図。
提唱されている作用機序(フォトバイオモジュレーション=光生体調節)の一例。赤色光・近赤外光がミトコンドリアに作用してATP産生や細胞内シグナルを促し、微小循環(血流)の改善などにつながると考えられています。近視の進行抑制では、このうち脈絡膜の血流増加・肥厚が有力な経路と考えられています。
※ ここに示すのは提唱されている機序の一例で、すべての効果がヒトで確立されているわけではありません。
🔎 近視の抑制と関係が深いのは「血流」
この図が示すのは、赤色光・近赤外光の一般的な作用機序です。このうち近視の進行抑制と関係が深いと考えられているのは、主に「微小循環(血流)の改善」です。眼の奥の脈絡膜の血流が増えて厚みが増すことが、眼軸の伸びを抑える方向に働くと考えられています。図のほかの項目(炎症反応の調整・組織修復・痛みや神経機能の調整)は、赤色光・近赤外光について提唱されている一般的な作用であり、近視の抑制効果として確立したものではありません
⚠ 仕組みは「まだ完全には分かっていません」
ミトコンドリアの活性化やドパミンを介した経路など、ほかの仮説も研究されていますが、確立したものではありません4。「効くらしい・こう考えられている」という段階であることは、正直にお伝えしておきます。

4どのくらい効果があるの?(研究データ)

もっともよく引用されるのが、2022年に Ophthalmology に掲載された中国の多施設ランダム化比較試験です。8〜13歳の近視の子ども264名を対象に、1年間で、通常のメガネのみのグループに比べて眼軸の伸びと近視の進行が明らかに抑えられたと報告されました1。「近視進行を約7〜9割抑えた」という数字が紹介されることがありますが、これは特定の研究・治療をしっかり続けられたグループでの値で、実際の効果には個人差・幅があります。

近視の度数(等価球面度数)の変化 ― 1年間
0.0-0.2-0.4-0.6-0.8 036912 経過月数(か月) 度数の変化(D) 約0.6Dの差
レッドライト治療群 治療なし(対照群)
治療群は1年後も度数の進行が小さく抑えられました(差は約0.6D)。線の下がり方が小さいほど、近視の進行が抑えられていることを示します。
出典:Jiang Y, et al. Ophthalmology. 2022;129(5):509-519(文献1)

より客観的に見るため、複数の研究をまとめて解析したメタ解析の結果を目安として示します。おおよそ次のような差が報告されています2,3

1年間で、メガネのみと比べた「差」の目安

  • 眼軸長:0.3mm 伸びを抑える(眼軸の伸びが小さいほど良い)
  • 近視の度数(等価球面度数):0.5〜0.6D 進行を抑える
  • 脈絡膜の厚み:増加(仕組みの裏づけとされる所見)

※ 低濃度アトロピンやオルソケラトロジーと同等以上の抑制効果が期待できるとする報告もありますが、比較試験はまだ限られます3

きちんと続けるほど効果が高い ― 遵守率別の抑制効果
100%75%50%25%0% 41.7% 73.1% 87.7% 76.6% 50%未満50〜75%75%以上全体 治療をきちんと実施できた割合(遵守率) 近視進行の抑制効果
治療を75%以上きちんと実施できた子どもでは、抑制効果は約88%に達しました(全体では約77%)。効果を得るには「毎日きちんと続ける」ことが何より大切です。
出典:Jiang Y, et al. Ophthalmology. 2022;129(5):509-519(文献1)
⚠ 2つの重要な注意点
  • 長期の効果は研究途上:多くの研究は1〜2年程度の観察で、それより先の効果は今後の検証が必要です。
  • リバウンド(もどり)の可能性:治療を中止すると、抑えていた近視の進行が再び戻る(眼軸が伸びる)例が報告されています4。始めたら定期的な経過観察が前提になります。

5ほかの近視抑制法との比較

近視の進行を抑える方法は、レッドライト治療だけではありません。それぞれに長所・短所があり、お子さまの近視の程度や生活に合わせて選ぶのが基本です。当院で扱う方法も含めて整理します。

方法やり方特徴・注意点
レッドライト治療
(RLRL)
家庭で1回3分・1日2回、赤色光を覗く 痛みがなく続けやすい。効果の報告は高め。国内未承認・自由診療。長期安全性・リバウンドは検討中で、定期検査が必須。
低濃度アトロピン
点眼
1日1回の点眼 エビデンスが豊富で手軽。まぶしさ・手元の見えにくさが出ることも。RLRLとの併用は基本行いません7
オルソケラトロジー
(オルソK)
就寝中に特殊コンタクトを装用 日中は裸眼で過ごせる。装用・洗浄の管理と感染対策が必要。
マイサイト
ワンデー
(MiSight® 1 day)
日中に装用する1日使い捨てのソフトコンタクト 1枚で視力補正と進行抑制を両立(デュアルフォーカス設計)。日本で初めて近視進行抑制が承認されたコンタクト(国内承認済み)。毎日新しいレンズで衛生的。レンズ代は自費で、定期検査が必要。
近視進行抑制
メガネレンズ
(MiYOSMART等)
日中に専用メガネを装用 普段のメガネと同じ感覚で使え、管理が簡単。効果は方法により差。
生活習慣 屋外で過ごす時間を増やす・近業を控える すべての基本。どの治療とも併用できます。

6安全性は? ― ここが一番大切です

「赤い光を目に当てて大丈夫なの?」という不安は当然です。結論から言うと、多くの臨床研究では、重い副作用は報告されていません。機器の出力は「クラス1レーザー相当」で、正常な網膜であれば障害を起こさない範囲とされています7。もっとも多い症状は、光を見た直後の一時的な残像(アフターイメージ)で、数分以内に消えるとされます4

🔴 ただし、油断はできません
ごくまれですが、治療中に視力の一時的な低下や、網膜(OCT検査)の変化が報告された症例があります。これらは治療を中止すると回復した例が中心で、恒久的な視力障害の報告はほとんどありませんが4,8長期的な安全性はまだ完全には確立していません。「絶対に安全」ではなく「慎重に見守りながら行う治療」だとご理解ください。
✅ だから当院では、こう考えます
  • 開始前に、目の状態(網膜など)をきちんと検査します。
  • 開始後も定期的にOCTや視力の検査で経過を確認します。
  • 残像が長く続く・見えにくいなどの変化があれば、すぐにご相談・中止を判断します。

7海外での認可と、日本での位置づけ

世界30カ国以上で基準を満たしています

レッドライト治療に使う「Eyerising 近視治療用機器」は、ヨーロッパおよびオーストラレーシア(オーストラリアと南太平洋地域)の30カ国以上で、各国の医療規制当局が定める品質・安全性・有効性の基準を満たしていると認められています。とくに次の主要な規制当局からは、正式に医療機器としての認可を受けています6

正式に医療機器として認可している主な規制当局

  • CE(欧州連合/EU) ― EUの安全・品質基準への適合を示す認証
  • TGA(オーストラリア) ― オーストラリアの医薬品・医療機器の規制当局
  • Medsafe(ニュージーランド) ― ニュージーランドの医薬品・医療機器の安全規制機関
  • MHRA(イギリス) ― イギリスの医薬品・医療機器の規制庁

このほかの国々でも、近い将来に規制当局の認可を取得する予定です。また、製造元のEyerising International社は、医療機器の品質管理に関する国際規格 ISO 13485:2016 に準拠していることが、認証機関 BSI(英国規格協会) によって認証されています。

日本では「未承認」― 自由診療での扱い

一方で、この機器は日本国内では現在「未承認の医療機器」です6,7。そのため公的医療保険は使えず、自由診療としての取り扱いになります。国内でも大学病院などで臨床研究・導入が進められている段階です。

⚠ 実際に受けられるかは診察で判断します
レッドライト治療には、安全に行うための適応条件があります。次の第8章で、対象となる方・対象外となる方をくわしくご説明します。適応の可否は、必ず眼科医の診察・検査のうえで個別に判断します。

8適応条件(対象となる方・ならない方)

レッドライト治療は、どなたでも受けられるわけではありません。安全に治療を行うため、対象となる年齢や、受けられない条件が定められています。

✅ 対象となる方
  • 年齢3〜16歳で、近視と診断されたお子さま
🔴 次のいずれかに当てはまる方は対象外です
  • 斜視〈しゃし〉がある
  • どちらかの眼に視機能の異常がある
  • どちらかの眼に眼球の異常、またはその他の全身的な異常がある
  • 網膜の病気がある(未熟児網膜症、網膜剥離、若年性黄斑変性症、網膜芽細胞腫 などの網膜疾患)
  • 遺伝性の網膜・脈絡膜の病気の家族歴がある
  • 瞳孔が開いている(散瞳)状態、または散瞳を起こす可能性のある薬(アトロピン、シクロペントラート、トロピカミド など)を使用した後

ほかの近視治療との併用について

  • 低濃度アトロピン点眼との併用はできません。アトロピンは瞳孔を広げる作用があるため、レッドライト治療を始める最低2週間前までに中止していただく必要があります。
  • オルソケラトロジー(オルソK)との併用は可能です。就寝中のオルソKと組み合わせて行うことができます。

※ 上記に該当するかどうかを含め、実際に治療を受けられるかは、必ず診察・検査のうえで個別に判断します。気になる点は遠慮なくご相談ください。

9近視以外への応用 ― 赤色光治療の広がり

赤色光・近赤外光を使った光治療(フォトバイオモジュレーション=光生体調節)は、近視の進行抑制のほかにも、医療のさまざまな分野で研究・活用が進んでいます。参考として、代表的な例をご紹介します。

🔴 大切な前提
以下はいずれも、目的ごとに専用の機器・波長・照射条件で行うもので、当院の近視進行抑制用(Eyerising)とは別の治療です。近視用の機器がこれらの効果を持つわけではありません。市販の赤色光機器を自己判断で目に使うことは避け、目的に合った医療機関にご相談ください。

眼科分野での例

  • 萎縮型(ドライ型)加齢黄斑変性〈AMD〉:専用機器による多波長の光治療で、視力の維持・改善が期待できると報告されています。海外では早期〜中期のドライ型AMDに対する治療として承認・導入が進んでいます9
  • ドライアイ・マイボーム腺機能不全〈MGD〉:まぶたへの赤色光(IPL〈光治療〉との併用など)で、涙の安定性やまぶたの油(あぶら)の出やすさの改善が報告されています10

医療・美容の幅広い分野での例

  • がん治療(抗がん剤・放射線)に伴う口内炎(口腔粘膜炎)の予防・軽減
  • 傷の治り・組織修復のサポート
  • 痛みの緩和・筋肉の回復(整形外科やスポーツの分野)
  • 皮膚のケア(美容・炎症など)、育毛 など

※ 効果の確かさ(エビデンス)は用途によって差があり、研究段階のものも多く含まれます。

10梅の木眼科クリニックからのメッセージ

レッドライト治療は、痛みがなく家庭で続けやすい、期待の大きい近視進行抑制の選択肢です。一方で、長期の安全性や中止後のリバウンドなど、これから確かめるべき点も残っています。

大切なのは、「話題だから」ではなく、お子さま一人ひとりの目の状態に合っているかを眼科医と一緒に確かめ、始めた後も定期検査でしっかり見守ることです。当院は「日本一わかりやすい説明」を目指し、メリットもリスクも正直にお伝えしたうえで、ご家族と一緒に最適な方法を考えます。気になる方は、まずはお気軽にご相談ください。

※ 導入の可否・開始時期・費用などの詳細は、決まり次第あらためてご案内します。

本記事について:この記事は、近視進行抑制に関する一般的な知識をお伝えするためのもので、個別の診断・治療方針を示すものではありません。効果や副作用には個人差があります。実際の治療の判断は、必ず眼科医の診察を受けたうえで行ってください。記載内容は作成時点の医学情報に基づいており、今後の研究で更新される可能性があります。

出典・参考文献

  1. Jiang Y, Zhu Z, Tan X, et al. Effect of Repeated Low-Level Red-Light Therapy for Myopia Control in Children: A Multicenter Randomized Controlled Trial. Ophthalmology. 2022;129(5):509-519.
  2. Sobol M, Pniewski J. Efficacy of Repeated Low-Level Red Light (RLRL) Therapy in Managing Childhood Myopia: A Systematic Review and Meta-Analysis. J Clin Med. 2024;14(1):83.
  3. Repeated low-level red-light therapy vs. conventional treatments for myopic control in children: a systematic review and meta-analysis. Sci Rep. 2025.
  4. Repeated low-level red-light therapy for childhood myopia: Efficacy, mechanisms, rebound effects, safety boundaries, and clinical standardization(総説). PubMed ID: 42349599.
  5. Dong J, Zhu Z, Xu H, He M. Myopia Control Effect of Repeated Low-Level Red-Light Therapy in Chinese Children: A Randomized, Double-Blind, Controlled Clinical Trial. Ophthalmology. 2023;130(2):198-204.
  6. Eyerising International(機器メーカー公式情報). https://www.eyerisinginternational.com/
  7. 国内医療機関による治療説明(機器仕様・国内未承認・照射条件等の参考): 小沢眼科内科病院/医新会 ほか.
  8. Liu H, Yang Y, Guo J, Peng J, Zhao P. Retinal Damage After Repeated Low-Level Red-Light Laser Exposure. JAMA Ophthalmol. 2023;141(7):693-695.(副作用の症例報告)
  9. Boyer D, Hu A, Warrow D, et al. LIGHTSITE III: 13-Month Efficacy and Safety Evaluation of Multiwavelength Photobiomodulation in Nonexudative (Dry) Age-Related Macular Degeneration Using the LumiThera Valeda Light Delivery System. Retina. 2024;44(3):487-497.(加齢黄斑変性への光治療)
  10. Low-level light therapy and intense pulsed light therapy in meibomian gland dysfunction: a systematic review and meta-analysis. Cont Lens Anterior Eye. 2024.(ドライアイ・MGDへの光治療)

※ 記事中の 数字 は、上記の該当文献に対応します。数値は代表的な報告に基づく目安であり、研究により幅があります。

梅の木眼科クリニック
監修:院長 熊谷悠太 / 近視進行抑制シリーズ・一般向け解説記事

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梅の木眼科クリニック
住所 : 神奈川県横浜市保土ケ谷区西谷1-25-21 ポンデロッサ西谷1F・2F
電話番号 : 045-371-2666


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