白内障手術前に必要な検査とは?当日の流れを徹底解説
2026/01/21
白内障手術前の検査が重要な理由
白内障手術を受けることが決まったとき、多くの患者様が「なぜこんなに多くの検査が必要なのか」と疑問に思われます。
実は、手術前の検査は単に白内障の状態を確認するだけではありません。手術後の見え方を決める重要な要素であり、患者様一人ひとりに最適な眼内レンズを選ぶための大切な情報を得るプロセスなのです。
私が診察を行う中で、手術前の精密な検査によって、隠れていた眼底の病気が見つかることも少なくありません。
例えば、視力低下の原因が白内障だけでなく、緑内障や加齢黄斑変性症といった他の病気も関わっている場合があります。
こうした病気を事前に把握しておくことで、手術後にどの程度の視力回復が期待できるのかを正確にお伝えすることができます。また、眼内レンズの度数を正確に計算するためには、目の長さや角膜のカーブなど、細かいデータが必要です。
白内障手術前に行う主な検査項目
白内障手術前には、さまざまな検査を行います。
これらの検査は、手術の安全性を高め、最良の結果を得るために欠かせないものです。
視力検査と屈折検査
まず基本となるのが視力検査です。裸眼での視力と、眼鏡やコンタクトレンズで矯正した視力の両方を測定します。白内障が進行していると、眼鏡で矯正しても視力が十分に上がらないことがあります。
屈折検査では、近視や遠視、乱視の程度を確認します。
この結果は、手術後にどの距離にピントを合わせるかを決める際の重要な指標となります。
眼圧検査
眼圧検査は、目の硬さを測る検査です。眼圧が高い場合、緑内障の可能性があります。
白内障と緑内障を併発している患者様も少なくないため、この検査は必須です。検査は片目ずつ行い、目に圧縮した空気を吹き付けて測定します。
細隙灯顕微鏡検査
細隙灯顕微鏡検査は、眼科医が顕微鏡で目を直接観察する検査です。
水晶体の濁りの程度や位置、角膜の状態、虹彩の状態などを詳しく確認します。この検査によって、白内障の進行度合いや手術の難易度を判断することができます。
眼底検査
眼底検査では、散瞳薬を点眼して瞳孔を開き、目の奥にある網膜や視神経の状態を調べます。
加齢黄斑変性症や糖尿病網膜症など、視力に影響する病気がないかを確認します。
この検査によって、手術後にどれくらいの視力回復が期待できるかを予測することができます。散瞳薬の効果は数時間持続するため、検査後はまぶしさやぼやけた感じが続きます。お車やバイクの運転はお控えください。
眼内レンズ選択のための精密検査
手術で使用する眼内レンズを選ぶためには、さらに精密な検査が必要です。
眼軸長検査
眼軸長検査は、角膜から網膜までの距離を測る検査です。この長さによって、近視や遠視の程度が決まります。
最適な眼内レンズの度数を計算するために、非常に重要な検査です。現在は光を使った測定装置が主流で、短時間で正確な測定が可能です。
角膜形状解析検査
角膜の表面と裏側のカーブ、厚み、凸凹などの状態を詳しく調べる検査です。
乱視の有無や程度を確認し、乱視矯正が可能かどうかを判断します。特に角膜後面の乱視成分を解析することで、より正確な乱視矯正が可能になります。
角膜内皮細胞検査
角膜内皮細胞は、角膜を透明に保つ役割を持つ重要な細胞です。
この細胞は一度減ってしまうと増えることがありません。白内障手術でもある程度(平均で5%程度)減少するため、手術前に細胞の数を確認する必要があります。細胞数が少ない場合は、手術方法を慎重に検討します。
OCT検査(光干渉断層計)
OCT検査は、網膜や視神経の断面図を撮影する検査です。
体に侵襲なく、網膜の形状や内部の異常を確認できます。加齢黄斑変性症や糖尿病網膜症、黄斑円孔などの病気を早期発見することができます。
白内障手術前にこの検査を行うことで、手術後の視力回復の見込みをより正確に予測できます。
手術当日の検査と流れ
手術当日も、いくつかの確認検査を行います。
手術の準備
手術前には、散瞳薬を点眼して瞳孔を開きます。
十分に瞳孔が開くまで、30分から1時間程度かかります。その後、手術室に入り、消毒と麻酔を行います。
手術の実際
白内障手術は、局所麻酔で行います。
手術時間は通常10分程度です。濁った水晶体を超音波で砕いて取り除き、人工の眼内レンズを挿入します。
創口は非常に小さく、縫合の必要がないため、身体への負担が少ない手術です。
手術後の経過観察
手術後は、しばらく休憩していただき、体調に変化が見られなければご帰宅いただきます。
翌日には診察を行い、目の状態や視力の回復具合を確認します。その後も定期的に診察を行い、経過を観察します。
検査結果に基づく眼内レンズの選択
検査結果をもとに、患者様に最適な眼内レンズを選びます。
単焦点眼内レンズ
単焦点眼内レンズは、一つの距離にピントを合わせるレンズです。
遠くに合わせた場合、近くを見る際には老眼鏡が必要になります。保険適用で費用負担が少ないのが特徴です。
多焦点眼内レンズ
多焦点眼内レンズは、遠くも近くも見えるレンズです。老眼鏡の使用頻度を減らしたい方に適しています。
当院では、患者様の生活スタイルや希望に合わせて、最適なレンズをご提案しています。
乱視矯正眼内レンズ
乱視が強い方には、乱視矯正機能を持つ眼内レンズもあります。角膜形状解析検査の結果をもとに、乱視矯正が可能かどうかを判断します。
検査を受ける際の注意点
検査をスムーズに受けていただくために、いくつかの注意点があります。
コンタクトレンズの使用について
コンタクトレンズを使用されている方は、検査前に外していただく必要があります。
必ずケースをお持ちください。ソフトコンタクトレンズの場合は検査の3日前から、ハードコンタクトレンズの場合は1週間前から装用を中止していただくことが望ましいです。
散瞳検査後の注意
散瞳薬を使用した検査の後は、数時間まぶしさやぼやけた感じが続きます。
お車やバイクの運転は危険ですので、公共交通機関をご利用いただくか、ご家族の送迎をお願いします。
検査時間について
白内障手術前の精密検査には、通常2〜3時間程度かかります。散瞳に時間がかかることもあるため、時間に余裕を持ってお越しください。
梅の木眼科クリニックでの検査体制
当院では、専門スタッフによる精密な検査体制を整えています。
最新の検査機器を導入し、正確なデータを取得することで、患者様一人ひとりに最適な治療を提供しています。検査から手術、術後のフォローまで、私自身が責任を持って対応いたします。
白内障手術は、視力を回復させる効果的な治療法です。しかし、手術の成功には、事前の精密な検査が欠かせません。
検査結果をもとに、患者様の目の状態や生活スタイルに合わせた最適な治療計画を立てることができます。
「最近、視界がかすむ」「まぶしく感じる」「夜の運転が不安」といった症状がある方は、ぜひ一度ご相談ください。
丁寧な検査と分かりやすい説明で、患者様の不安を取り除き、安心して手術を受けていただけるようサポートいたします。
まとめ
白内障手術前の検査は、手術の成功と術後の良好な視力回復のために非常に重要です。
視力検査や眼圧検査といった基本的な検査から、眼軸長検査や角膜形状解析検査などの精密検査まで、さまざまな検査を通じて、患者様の目の状態を詳しく把握します。
これらの検査結果をもとに、最適な眼内レンズを選択し、手術計画を立てることができます。
当院では、西谷駅から徒歩7分という便利な立地で、毎週月曜・水曜に白内障手術を行っています。
15年以上の経験を持つ私が、診察から手術、術後のフォローまで一貫して対応いたします。
見えづらさを我慢せず、まずはお気軽にご相談ください。
梅の木眼科クリニック
所在地:神奈川県横浜市保土ケ谷区西谷1-25-21
電話番号:045-371-2666
アクセス:相鉄線「西谷駅」北口から徒歩7分
駐車場:3台完備
白内障は誰にでも起こりうる自然な変化ですが、適切なタイミングで治療を受けることで、生活の質を大きく変えることができます。
あなたの目と気持ちの両方に寄り添い、「見える喜び」をもう一度取り戻すお手伝いをさせていただきます。
【著者情報】熊谷悠太
日本眼科学会認定眼科専門医
2003年 聖マリアンナ医科大学医学部卒業、聖マリアンナ医科大学病院眼科学教室入局
2009年 聖マリアンナ医科大学大学院博士課程修了、桜ヶ丘中央病院眼科部長
2016年 聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院眼科主任医長
2019年 梅の木眼科クリニック開院


