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近視と乱視の違いとは?見え方の違いと混同しやすいポイントをやさしく解説

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近視と乱視の違いとは?見え方の違いと混同しやすいポイントをやさしく解説

近視と乱視の違いとは?見え方の違いと混同しやすいポイントをやさしく解説

2026/05/19

「最近、遠くがぼやけて見える」「夜になると視界が滲む」といった症状に悩まされていませんか?

視力の低下を感じたとき、多くの方が「近視かもしれない」と考えます。しかし、実際には「乱視」が原因だったり、近視と乱視が混在していたりするケースも少なくありません。

近視と乱視は、どちらも「屈折異常」と呼ばれる目の状態ですが、そのメカニズムや見え方には明確な違いがあります。正しい理解がなければ、適切な矯正方法を選べず、眼精疲労や頭痛といった二次的な症状を引き起こす可能性もあります。

この記事では、眼科専門医の視点から、近視と乱視の違いを詳しく解説します。見え方の特徴や混同しやすいポイント、そして適切な対処法まで、わかりやすくお伝えしていきます。

近視と乱視の基本的な違い・・・屈折異常のタイプで分けられる

目でものが見えるのは、光が角膜と水晶体というレンズを通って網膜に像を作るためです。

網膜とは、目に入ってきた情報をうつすフィルムのような役割があるもので、ここに焦点が合うことで鮮明な視界が得られます。
しかし、焦点がずれるとピンボケのような状態になり、これを「屈折異常」といいます。 屈折異常は、そのタイプによって「近視」「遠視」「乱視」に分けられます。

近視とは・・・遠くが見えにくい状態

近視とは、近くのものはよく見えますが、遠くのものがよく見えない状態です。

目に入った光が網膜まで届かず、手前で焦点を結ぶために起こります。遠くにピントを合わせることができないため、必要に応じて眼鏡やコンタクトレンズを装着します。

近視の主な原因は、眼球が楕円形に伸びてしまう(眼軸長が伸びる)ことです。一度眼軸長が伸びてしまうと戻ることがないため、眼軸長の伸びを抑えることが近視の進行を抑制するために重要となります。

乱視とは・・・すべての距離でぶれて見える状態

乱視とは、角膜や水晶体に歪みがあるために、見たいものにうまくピントを合わせられない状態です。

焦点が一カ所に結ばれないため、近くのものでも遠くのものでも、像がぶれたり二重に見えたりします。また、焦点を合わせようとし続けるために疲れやすく、肩こりや頭痛になることもあります。

乱視の原因は、角膜や水晶体がラグビーボールのように楕円形に変形していたり、不規則な形状をしていることです。ほとんどの人に程度の差はあれ乱視があり、極めて軽度であれば視力への影響は少ないものの、未矯正の乱視は視力低下や眼精疲労を引き起こす可能性があります。

近視と乱視の仕組みの違い

近視は網膜よりも手前で焦点が形成されるのに対し、乱視は焦点が1つにまとまりません。

近視の場合、裸眼でピントが合う位置が目の近くにあるため、近くははっきり見えますが遠くがぼやけます。一方、乱視では遠くや近くなどの距離に関わらず、常に視界がぼやけたり二重に見えたりします。

また、暗い所ではよりたくさんの光を目の中に取り入れようと瞳孔が開くため、光の入る幅が広がることでより、ぶれが大きくなり、乱視の症状を自覚しやすくなります。

近視と乱視の見え方の違い・・・日常生活での症状

近視と乱視では、日常生活での見え方に明確な違いがあります。 ここでは、具体的な見え方の特徴を詳しく解説します。

近視の見え方・・・遠くがぼやける

近視の方は、手元にピントが合っているため、近くのものははっきり見えますが、遠くのものがぼやけてしまいます。

例えば、教室の黒板の文字が見えにくい、道路標識が読めない、遠くの人の顔が判別できないといった症状が現れます。しかし、本を読んだり、スマートフォンを見たりする際には問題なく見えることが特徴です。

乱視の見え方・・・すべての距離でぶれる

乱視の場合は、常にピントが合っていないため、見たいものが近くにあっても遠くにあっても、ぼやけたり二重に見えたりします。

文字は縦・横・斜めの線の組み合わせでできているので、乱視があると見えにくいと感じることがあります。
例えば、新聞、本、道路標識、看板などに似たような文字があり、区別がつきにくいと感じるケースが挙げられます。

乱視の夜間の見え方・・・光が滲んで見える

乱視の人は、明るい場所に比較して、暗い場所や夜間のほうが、より視界がぼやけて見えづらくなるといわれています。

月明りの下といった暗いところでは、たくさんの光を目に入れようと瞳孔が開きます。そのため、光の入る幅が広がることで、よりぶれが大きくなり、乱視の症状を自覚しやすくなります。

昼間は気にならなかったのに、夕方や夜間に街灯や信号がにじんだり、二重に見えたりする場合は、乱視がある可能性があります。

近視と乱視の併発・・・より見えにくくなる

実際には、「近視と乱視」や「遠視と乱視」の両方を併発するケースも多くあります。

近視に乱視が加わると、さらに見えにくくなります。遠くがぼやけるだけでなく、像がぶれたり二重に見えたりするため、日常生活に大きな支障をきたすこともあります。

乱視の種類と特徴・・・正乱視と不正乱視

乱視は、大きく「正乱視」と「不正乱視」の2つに分けられます。 それぞれの特徴と矯正方法について解説します。

正乱視・・・一定方向に歪んでいる状態

正乱視とは、角膜や水晶体がラグビーボールのように一定方向に歪んでいるために起こる乱視です。

正乱視のほとんどは、生まれつきであるか、あるいは年齢を重ねたことによる変化が原因で引き起こされます。さらに正乱視は、その歪みの角度によって、「直乱視」「倒乱視」「斜乱視」の3種類に分類されます。

角膜や水晶体がラグビーボールを横向きに置いたような形になっている場合を「直乱視」、縦の場合を「倒乱視」、斜めの場合を「斜乱視」といい、それぞれ見え方が異なります。

直乱視は正乱視の中でも最も多く、縦方向の線ははっきり見ることができますが、横方向の線がぼやけて見えることが特徴です。倒乱視は直乱視とは逆に縦方向がぼやけて、横方向がはっきり見えるのが特徴で、高齢者になると倒乱視を発症する割合が高いといわれています。

不正乱視・・・不規則に歪んでいる状態

不正乱視とは、一般的に角膜の表面が不規則に歪んでいるために起こる乱視のことで、ものが何重にもぶれて見えます。

ある種の病気(円錐角膜、翼状片など)によって引き起こされることがあるほか、目の手術後、または目に負ったケガの後遺症などが原因で起こる場合もあります。

不正乱視は焦点が定まらないため、物がぼやけて見えたり、二重に見えたりします。
また、光源が滲んで見えたり、光の周りに星のような模様が見えたりすることがあります。さらに、夜間になると視力がさらに低下することもあり、日中よりも見にくくなるという特徴もあります。

正乱視と不正乱視の矯正方法の違い

正乱視は、眼鏡、乱視用ソフトコンタクトレンズまたはハードコンタクトレンズで矯正することでよく見えるようになります。

一方、不正乱視はソフトコンタクトレンズや眼鏡では矯正することができません。正乱視であればソフトコンタクトレンズや眼鏡で見えるように矯正することは可能ですが、不正乱視は歪みの方向がさまざまなため、ハードコンタクトレンズでのみ矯正可能です。

ハードコンタクトレンズで矯正可能な理由は、レンズの素材が硬いという点にあります。
レンズの素材が硬いと歪んだ角膜に装着しても角膜の形に変形しないという利点があり、ハードコンタクトレンズを装着すると歪んだ角膜とレンズの間に涙が溜まり、これがレンズの代わりになります。

近視と乱視の矯正方法の違い・・・適切な対処法を選ぶ

近視と乱視では、矯正方法にも違いがあります。 それぞれの特徴を理解し、適切な矯正方法を選びましょう。

近視の矯正方法・・・凹レンズを使用

近視の矯正には、焦点の位置だけを変える凹レンズの眼鏡またはコンタクトレンズが用いられます。
凹レンズは周辺部に比べて中心部が薄くなっているレンズです。レンズに入る光を拡散させるため、焦点を網膜上へ移動させることができます。

乱視の矯正方法・・・円柱レンズを使用

乱視はラグビーボールのように歪んでいる方向に対称性がある場合(正乱視)と角膜などに病気があり歪みが不規則な場合(不正乱視)がありますが、多くの方に見られる正乱視においては、円柱レンズにより矯正します。

円柱レンズでは、特定の方向の光だけを屈折させることができるため、目が持っている乱視の方向に合わせて使用することで、焦点を1つにすることができます。

軽度の乱視は矯正しなくても良い?

軽い乱視であれば乱視を矯正しなくてもある程度見えるため、そのままにしてしまいがちです。

しかし、頭痛、眼精疲労や肩こりの原因となることがあります。見え方で自己判断するより、眼科で検査を受けて乱視なのか近視なのかはっきりさせたほうが、ご自身の目に合った適切な矯正が受けられます。

お子様の視力と目の健康について

お子様の視力や目の健康は、成長と学習において非常に重要な役割を果たします。

しかし、幼少期には視力の問題や目の異常が見過ごされがちであり、早期発見と適切な治療が求められます。
乳幼児期(生後から6歳ぐらい)は、目の発達にも重要な時期にあたり、この時期に目のピントが合っていない状態だと、視力や両眼視機能(立体視など)がうまく発達しません。

視力に関する機能は8、9歳までで発達が止まってしまうため、早期発見・早期治療が必要です。そのため乳幼児期の健診は、目の発達を知るためにとても大切です。

当院では、国家資格を持つ視能訓練士が常駐しております。お子様の目のことで少しでも気になることがありましたら、ご遠慮なくお問い合わせください。

まとめ・・・正しい理解と早期の眼科受診が大切

近視と乱視は、どちらも屈折異常の一種ですが、そのメカニズムと見え方には明確な違いがあります。

近視は遠くがぼやけて見える状態で、網膜より手前で焦点が結ばれることが原因です。一方、乱視は角膜や水晶体の歪みにより、すべての距離でぶれたり二重に見えたりする状態です。
また、近視と乱視が併発するケースも多く、その場合はさらに見えにくくなります。

軽度の乱視であっても、放置すると眼精疲労や頭痛の原因となることがあります。見え方に違和感を感じたら、自己判断せずに眼科で検査を受けることが大切です。
適切な矯正方法を選ぶことで、快適な視生活を取り戻すことができます。

特にお子様の場合、視力の発達は8、9歳までで止まってしまうため、早期発見・早期治療が非常に重要です。少しでも気になる症状があれば、お早めにご相談ください。

梅の木眼科クリニックでは、国家資格を持つ視能訓練士が常駐しています。
弱視、斜視、屈折異常(近視・遠視・乱視)など、さまざまな目の問題に専門的に対応しております。

お子様から高齢の方まで、目の健康に関するお悩みは、ぜひ当院にご相談ください。

【著者情報】熊谷悠太

日本眼科学会認定眼科専門医
2003年 聖マリアンナ医科大学医学部卒業、聖マリアンナ医科大学病院眼科学教室入局
2009年 聖マリアンナ医科大学大学院博士課程修了、桜ヶ丘中央病院眼科部長
2016年 聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院眼科主任医長
2019年 梅の木眼科クリニック開院

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