白内障手術は何分で終わる?実際の手術時間と院内滞在時間の目安
2026/08/10
白内障手術の時間はどのくらいかかるのか?
白内障手術(超音波乳化吸引術)の手術時間は、片眼あたり約10分です。院内滞在は点眼散瞳・術前準備・術後安静を含めて1.5〜2時間程度が目安となります。
手術時間は白内障の進行度や目の状態によって異なります。軽度〜中等度であれば約10分、進行した白内障では手術時間が長くなる場合があります。
手術時間が変わる要因は?
手術時間に影響する主な要因は以下のとおりです。
白内障の進行度:核硬化が強いほど超音波照射時間が長くなり、手術時間が延びます
目の状態:水晶体嚢を支える組織(チン小帯)が弱い場合など、難症例では時間がかかります
乱視矯正の有無:乱視矯正用トーリックレンズを使用する場合、軸合わせの工程が加わります
眼内レンズの種類:多焦点眼内レンズでは精密な位置合わせが必要になることがあります
梅の木眼科クリニックでは、白内障の程度を問わず手術できる体制を整えており、難症例にも対応しています。
手術当日の院内滞在時間はどのくらいか?
手術当日は来院から帰宅まで、1.5〜2時間程度を見込んでください。手術自体は約10分ですが、術前準備と術後安静に時間がかかります。当日の流れは以下のとおりです。
来院・受付:予約時間に来院し、問診・眼圧測定を行います
散瞳点眼:瞳孔を広げる目薬を15分おきに複数回点眼します(約30〜45分)
術前準備:血圧・体温チェック、心電図電極シールの取り付けなどを行います
手術(約10分):点眼麻酔後、超音波乳化吸引術で濁った水晶体を取り除き、眼内レンズを挿入します
術後安静:リカバリー室や待合室で休憩します(15〜30分程度)
会計・帰宅:眼帯を装着したまま帰宅します
手術当日は自動車・バイク・自転車の運転ができません。ご家族の送迎またはタクシーをご利用ください。
白内障手術の麻酔はどのような方法か?痛みはあるのか?
白内障手術は点眼麻酔(局所麻酔)で行うため、注射の痛みがなく、手術中もほとんど痛みを感じません。全身麻酔は不要で、意識は保ったまま手術を受けられます。
手術中は「光がまぶしい」「触れられている感覚」「軽い圧迫感」を感じることがありますが、鋭い痛みはほとんどありません。万が一不快感があれば、声や手で合図することで医師がすぐに対応します。
点眼麻酔のメリット
注射不要:目への注射がないため、注射針への恐怖感がありません
回復が早い:麻酔薬の全身への影響がほぼなく、術後すぐに歩いて帰宅できます
身体への負担が少ない:高齢の方や持病がある方でも安全に受けやすい方法です
白内障手術の具体的な手順はどのようなものか?
白内障手術は「切開→水晶体摘出→眼内レンズ挿入」の3ステップで完了します。創口は縫合不要で自己閉鎖するため、術後の回復が早いのが特徴です。
切開:角膜または強膜に約2〜3mmの小切開を作成します
前嚢切開:水晶体を包む薄い膜(水晶体嚢)の前面を円形に切開します
超音波乳化吸引:超音波振動で濁った水晶体の核を砕き、吸引して取り除きます
眼内レンズ挿入:残した水晶体嚢の中に折りたたんだ眼内レンズを挿入し、広げて固定します
創口の自己閉鎖:切開創は縫合せず、眼内圧により自然に閉鎖します
梅の木眼科クリニックでは、2024年に40.7%の方で乱視矯正用トーリック眼内レンズを使用しており、乱視矯正の手技を合わせるとほぼ100%の症例で乱視の矯正を行っています。
眼内レンズの種類によって何が変わるのか?
眼内レンズは「単焦点」と「多焦点」の2種類があり、術後の見え方・メガネの必要性が大きく異なります。どちらが適しているかは、患者様の目の状態とライフスタイルによって決まります。
単焦点眼内レンズの特徴
ピントが合う距離:1点のみ(遠方・中間・近方のいずれか1つを選択)
遠方重視の場合:近くを見るときに老眼鏡が必要になります
近方重視の場合:遠くを見るときに近視用メガネが必要になります
保険適用:健康保険が適用されるため費用負担が少ない
見え方の質:コントラスト感度が高く、クリアな視界が得られます
多焦点眼内レンズの特徴
ピントが合う距離:遠方・中間・近方の複数距離に対応
メガネ依存度:日常生活でメガネをほとんど使わずに済む可能性があります
費用:選定療養または全額自己負担となり、施設によって異なります
注意点:ハローやグレア(光の輪・にじみ)が出ることがあり、慣れるまで時間がかかる場合があります
梅の木眼科クリニックでは、患者様の目の状態・ライフスタイル・ご希望の見え方に応じて十分な説明を行ったうえでレンズを決定しています。
「老眼鏡をできるだけ使いたくない」という方には多焦点眼内レンズも選択肢として提案しています。
白内障手術後の日常生活はいつから再開できるのか?
白内障手術の翌日からほぼ通常の日常生活を再開できます。テレビ・読書・歩行は翌日から可能で、洗顔・洗髪は術後約1週間は医師の指示に従う必要があります。
術後の生活制限の目安
翌日から可能:テレビ・読書・軽い歩行・食事・入浴(首から下のシャワー)
1週間程度は制限:洗顔(顔に水がかかる洗い方)・洗髪(美容院での上向き洗髪は可)
医師の許可後:水泳・激しい運動・目を強くこする行為
術後1か月程度:メガネの処方が可能になります(度数が安定してから)
術後は処方された点眼薬を欠かさず使用することが大切です。感染予防・炎症抑制のために、医師の指示どおりに点眼を続けてください。
術後の通院スケジュールの目安
翌日:必ず受診(眼帯を外し、術後の状態を確認)
最初の1週間:3日程度の受診
その後:1週間後・2週間後・1か月後と間隔を空けながら経過観察
術後6か月程度:定期的な診察と点眼を継続
白内障手術はどのタイミングで受けるべきか?
「メガネを替えても見え方が改善しない」「日常生活や運転に不安を感じる」といった状況になったら、手術を検討するタイミングです。早めに受けるほど手術が安全で合併症リスクも低くなります。
厚生労働省の資料によると、白内障は60歳で約70%、70歳で約80%、80歳以上では100%の人に出現するとされています。
加齢が最大の原因ですが、糖尿病・紫外線・アトピー性皮膚炎などにより若年層でも発症するケースが増えています。
手術を検討すべきサインとは?
メガネが合わなくなり、新しくしても見え方が変わらない
老眼鏡をかけても新聞・スマートフォンが読みにくい
車の運転中に対向車のライトがまぶしく感じる
趣味(読書・手芸・ゴルフなど)で不安や不便を感じる
視界がかすんでいる、霧がかかったように見える
点眼薬(ピレノキシンなど)は白内障の進行をある程度遅らせる効果が期待できますが、視力を回復させることはできません。視力改善には手術が唯一の選択肢です。
梅の木眼科クリニックでは、患者様一人ひとりの生活スタイルやご事情を踏まえながら、手術のタイミングを一緒に相談して決定する方針をとっています。「まだ早いかな」と思っていても、まずは受診してご相談ください。
白内障手術について詳しく知りたい方、手術時間や眼内レンズの選択肢についてご相談されたい方は、ぜひ梅の木眼科クリニック 白内障のページをご覧ください。
日帰り手術・点眼麻酔・翌日からの日常生活復帰など、患者様の不安を最小限にする体制を整えています。
よくある質問
白内障手術の手術時間は何分ですか?
片眼あたり約10分が目安です。ただし白内障の進行度や目の状態によって異なり、進行した白内障では手術時間が長くなる場合があります。
手術当日は何時間クリニックにいる必要がありますか?
来院から帰宅まで1.5〜2時間程度かかります。散瞳点眼(約30〜45分)・術前準備・手術(約10分)・術後安静を含めた時間です。
白内障手術は痛いですか?
点眼麻酔(局所麻酔)を使用するため、ほとんど痛みはありません。手術中は光のまぶしさや軽い圧迫感を感じることがありますが、鋭い痛みはほぼありません。
白内障手術は日帰りで受けられますか?
はい、日帰りで受けられます。梅の木眼科クリニックでも日帰り白内障手術を実施しており、手術当日に帰宅できます。
手術翌日から仕事に行けますか?
デスクワークなど目への負担が少ない仕事であれば、翌日から復帰できる場合が多いです。
手術翌日は外来受診もあるので、翌々日から出勤される方が多いです。ただし個人差があるため、担当医に確認してください。
単焦点と多焦点眼内レンズ、どちらを選べばよいですか?
「メガネをできるだけ使いたくない」方には多焦点眼内レンズ、「費用を抑えたい・見え方の質を重視したい」方には単焦点眼内レンズが向いています。
生活の仕方によって合うレンズが変わりますので、術前に十分相談して決めることが重要です。
白内障手術後、洗顔や洗髪はいつからできますか?
顔に水がかかる洗顔は術後約1週間は控えます。洗髪は美容院での上向き洗髪なら術後早期から可能です。医師の指示に従ってください。
白内障手術後に車の運転はいつからできますか?
手術当日は運転できません。翌日以降は視力の回復状況を確認しながら、担当医の許可が出てから再開してください。
両眼とも白内障がある場合、同時に手術できますか?
通常は片眼ずつ手術を行います。最初の手術後の経過を確認してから、もう一方の眼の手術を行うのが一般的です。
しかし、近年仕事をしている方も多く、お仕事の休みがとれないことがあります。また、ご高齢の方で、付き添いをお願いする場合、都合が合わないこともあるため、両目同日に手術をすることも増えてきました。
片眼でも両眼でも術後の結果に大きな変わりはありません。
白内障手術後に白内障が再発することはありますか?
白内障自体が再発することはありません。ただし術後数か月〜数年で「後発白内障」(眼内レンズを包む袋が濁る)が起こることがあります。レーザー治療で痛みなく回復できます。
結論
白内障手術(超音波乳化吸引術)の手術時間は片眼約10分、院内滞在は1.5〜2時間が目安です。点眼麻酔でほぼ痛みなく受けられ、翌日からほぼ通常の日常生活に戻れます。
眼内レンズは単焦点・多焦点から目の状態とライフスタイルに合わせて選択します。
「見え方が気になる」「メガネが合わなくなった」と感じたら早めに眼科専門医に相談し、進行する前に手術を受けることが安全で確実な視力改善への近道です。
【著者情報】熊谷悠太
日本眼科学会認定眼科専門医
2003年 聖マリアンナ医科大学医学部卒業、聖マリアンナ医科大学病院眼科学教室入局
2009年 聖マリアンナ医科大学大学院博士課程修了、桜ヶ丘中央病院眼科部長
2016年 聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院眼科主任医長
2019年 梅の木眼科クリニック開院

