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緑内障の原因とは?発症しやすい人の特徴と予防のポイントを解説

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緑内障の原因とは?発症しやすい人の特徴と予防のポイントを解説

緑内障の原因とは?発症しやすい人の特徴と予防のポイントを解説

2026/08/16

本記事は、緑内障の原因・危険因子・発症しやすい人の特徴・初期症状・予防のポイント・治療法まで、眼科専門医の立場から網羅的に解説します。

緑内障とは何か?視神経と眼圧の関係

緑内障は、視神経が障害されて視野が徐々に欠けていく病気です。一度失われた視神経は元に戻せないため、早期発見・早期治療が唯一の進行予防手段となります。

視神経は目と脳をつなぐ約100万本の神経線維の束です。緑内障になると、この神経線維が徐々に減少し、担当していた視野の部分が見えにくくなります。

眼圧(目の中の圧力)の正常範囲は10〜21mmHgとされており、20mmHgを大きく超える状態が続くと視神経が障害されやすくなります。ただし、眼圧が正常範囲内でも視神経が障害される「正常眼圧緑内障」も存在し、日本人の緑内障患者の多くがこのタイプです。

緑内障の原因は何か?眼圧以外のリスク因子も解説

緑内障の確実な原因は現時点では特定されていませんが、眼圧上昇・遺伝・加齢・近視・血流障害などが主な危険因子として知られています。

眼圧上昇のメカニズム

目の中では「房水」と呼ばれる液体が常に産生・排出されることで眼圧が一定に保たれています。房水の産生量が増えたり、排出口(線維柱帯・隅角)が詰まったりすると眼圧が上昇します。

開放隅角緑内障:隅角は開いているが線維柱帯の目詰まりで排出が滞る。慢性的にゆっくり進行する。
閉塞隅角緑内障:隅角が閉じて房水が流れ出せなくなる。急性発作を起こすと短期間で失明に至る危険がある。
正常眼圧緑内障:眼圧は正常範囲内でも視神経が障害される。日本人に多いタイプ。

遺伝・家族歴

血縁者に緑内障患者がいる場合、そうでない場合と比べて発症リスクが高いとされています。
先天性緑内障の一部では明らかな遺伝性が認められており、常染色体優性遺伝(親が緑内障だと子どもが50%の確率で発症)のケースも報告されています。

加齢・近視・生活習慣

加齢とともに視神経の耐性が低下し、緑内障リスクは上昇します。また、強度近視(眼軸が長い目)は視神経乳頭の構造が変化しやすく、緑内障の危険因子とされています。 生活習慣では、以下が眼圧を上げる可能性があります。

うつ伏せ寝・高い枕:眼球が圧迫されたり、目への血流が低下したりする。
長時間の下向き姿勢:スマホ・パソコン操作で首から目・脳への血流が悪くなる。
喫煙:目の血管を収縮させ、眼への血流を低下させる。活性酸素による組織障害も懸念される。
睡眠不足・過度なストレス:自律神経のバランスが崩れ、眼圧上昇や視神経への血流低下につながる可能性がある。

緑内障が発症しやすい人の特徴は?

緑内障を発症しやすいのは、40歳以上・強度近視・家族歴あり・眼圧が高め・糖尿病や高血圧のある方です。これらの危険因子が重なるほどリスクが高まります。

40歳以上:加齢とともに有病率が急増。60歳以上では10人に1人。
強度近視(近視が強い方):眼軸が長く視神経乳頭が変形しやすいため、正常眼圧でも障害が起きやすい。
家族歴あり:親・兄弟姉妹に緑内障患者がいる場合はリスクが上昇。
眼圧が高め(高眼圧症):21mmHg以上が続く場合は定期的な経過観察が必要。
糖尿病・高血圧・動脈硬化:眼底の血流障害が視神経にダメージを与えやすい。
ステロイド薬の長期使用:点眼・内服・外用を問わず、眼圧上昇(ステロイド緑内障)を引き起こすことがある。
過去に目のケガや手術を受けた方:続発緑内障のリスクがある。

上記に1つでも当てはまる方は、自覚症状がなくても定期的な眼科検診を強くお勧めします。

緑内障の初期症状は?見逃しやすいサインとは

緑内障の初期には自覚症状がほとんどなく、視野の欠けを自分で気づくことはまれです。両眼で見ると片方の視野欠損を補い合うため、かなり進行するまで日常生活で気づきにくいのが特徴です。

視野障害は初期・中期・末期の3段階で進行します。初期は中心から離れた周辺部に小さな欠損が生じるだけですが、末期になると視野が著しく狭くなり、日常生活に支障をきたします。
放置すると最終的に失明に至ります。

急性緑内障発作の症状

閉塞隅角緑内障では、房水の出口が急に閉じて眼圧が急激に上昇する「急性緑内障発作」が起こることがあります。眼圧が通常40〜80mmHg程度まで急上昇し、以下のような激しい症状が現れます。

激しい目の痛み・頭痛
吐き気・嘔吐
目のかすみ・充血・視力低下

急性発作は緊急処置が必要な状態です。このような症状が出たら、すぐに眼科を受診してください。治療が遅れると短期間で失明に至ることがあります。

緑内障の検査・診断はどのように行うのか?

緑内障の診断には、眼圧検査・眼底検査・視野検査・眼底3次元画像解析(OCT)の組み合わせが標準的です。自覚症状がない段階でも、これらの検査で早期発見が可能です。
当院(梅の木眼科クリニック)では、以下の検査を実施しています。

眼圧検査:目の硬さを測定し、眼圧が正常範囲(10〜20mmHg)内かを確認する。
眼底検査:視神経乳頭の形状・網膜神経線維層の状態を観察する。
視野検査:視野の欠損範囲・程度を定量的に評価する。緑内障の進行度判定に不可欠。
眼底3次元画像解析(OCT):網膜神経線維層の厚みを精密に計測し、視野検査で検出される前の極早期変化を捉えることができる。

緑内障の治療法にはどのような選択肢があるか?

緑内障の治療は「眼圧を下げて視神経へのダメージを抑える」ことが基本方針であり、点眼治療・レーザー治療・手術の3つが主な選択肢です。

点眼治療(目薬)

緑内障治療の第一選択です。房水の産生を抑えるもの(β遮断薬・炭酸脱水酵素阻害薬・α2刺激薬など)と、排出を促進するもの(プロスタグランジン関連薬・ROCK阻害薬など)があります。
効果を見ながら複数の点眼薬を併用することもあります。

点眼治療で重要なのは毎日継続して正しく点眼することです。自覚症状がないために治療をやめてしまう方が多いですが、中断すると眼圧が再上昇し、視野障害が進行します。

レーザー治療(SLT・LI)

当院では2種類のレーザー治療を当日実施できる体制を整えています。

選択的レーザー線維柱帯形成術(SLT):低出力レーザーで線維柱帯の細胞を活性化し、房水排出を促進する治療です。
点眼をしないでも1日のベースの眼圧を下げることができます。周辺組織へのダメージが少なく、繰り返し施術が可能です。施術時間は約5分で、3割負担の方で約30,000円です。術後のケアは消炎点眼のみで、日帰りで受けられます。点眼が苦手な方や点眼に副作用が多くみられる方、点眼しても視野障害が進む方にはお勧めです。

レーザー虹彩切開術(LI):急性緑内障発作時や発作リスクが高い場合に、虹彩根部に小さな穴を開けて房水の排出口を確保する治療です。こちらも日帰りで実施可能です。

手術(MIGS・小切開緑内障手術)

点眼やレーザーで眼圧コントロールが不十分な場合、手術が選択されます。
近年主流となっている小切開緑内障手術(MIGS)は、従来の手術より低侵襲で回復が早いのが特徴です。当院では白内障手術と併用して実施しており、良好な眼圧下降効果が得られています。

治療方針は患者様・ご家族様とともにオーダーメイドで相談しながら決定します。「どの治療が自分に合っているか」は病型・病期・生活スタイルによって異なるため、専門医への相談が重要です。

緑内障を予防するためにできることは何か?

緑内障を完全に予防する方法は現時点では確立されていませんが、定期検診による早期発見と、眼圧を上げない生活習慣の維持が最も有効な対策です。

40歳を過ぎたら定期的な眼科検診を

緑内障は自覚症状がないまま進行します。40歳を過ぎたら年に1回の眼科受診が 早期発見の鍵です。特に強度近視・家族歴・糖尿病・高血圧のある方は、より積極的な検診が必要です。

眼圧を上げない生活習慣のポイント

適度な有酸素運動:ウォーキングなどの有酸素運動は眼圧を緩やかに下げる効果があるとされています。ただし、逆立ちや重いものを持ち上げる動作は眼圧を一時的に上昇させるため注意が必要です。
禁煙:喫煙は目の血管を収縮させ、視神経への血流を低下させます。禁煙は緑内障リスク低減だけでなく、全身の健康にも有益です。
睡眠の質を高める:睡眠不足や睡眠時無呼吸症候群は眼圧上昇の原因になります。十分な睡眠と、仰向けや横向きで寝ることを意識しましょう。
長時間の下向き姿勢を避ける:スマホやパソコン操作の際は定期的に休憩を取り、首・肩の血流を改善しましょう。
ストレス管理:慢性的なストレスは自律神経を乱し、眼圧や眼血流に影響します。適度な休息とリラクゼーションを心がけましょう。

糖尿病・高血圧の管理も重要

糖尿病は眼底の血管障害を引き起こし、緑内障リスクを高めます。
また、血管新生緑内障(糖尿病網膜症の合併症)は急速に進行するため、糖尿病と診断されたら定期的な眼科検査が不可欠です。高血圧・動脈硬化の管理も視神経の血流保護につながります。

緑内障の早期発見・治療については、梅の木眼科クリニック 緑内障・糖尿病網膜症にご相談ください。
眼圧検査・眼底検査・視野検査・OCTによる精密検査を実施しており、一人ひとりに合った治療方針をご提案します。

よくある質問

緑内障は遺伝しますか?

家族に緑内障患者がいると発症リスクが高まります。先天性緑内障の一部では常染色体優性遺伝(親が緑内障だと子どもが50%の確率で発症)が確認されています。
家族歴がある方は40歳前から定期検診を受けることをお勧めします。

緑内障は完治しますか?

緑内障で失われた視神経は元に戻せないため、完治はできません。
治療の目的は「進行を食い止めること」であり、早期発見・適切な治療継続によって生涯にわたり視野・視力を保つことが目的になります。

緑内障の点眼薬はいつまで続けるのですか?

基本的に生涯にわたって継続する必要があります。自覚症状がなくなっても点眼を中断すると眼圧が再上昇し、視野障害が進行します。自己判断で中断せず、必ず主治医に相談してください。

眼圧が正常でも緑内障になりますか?

なります。日本人の緑内障患者の多くは「正常眼圧緑内障」であり、眼圧が10〜20mmHgの正常範囲内でも視神経が障害されます。眼圧だけで判断せず、眼底検査・視野検査・OCTによる総合的な評価が必要です。

緑内障の検査は痛いですか?

眼圧検査・眼底検査・視野検査・OCTはいずれも痛みを伴わない検査です。眼底検査では散瞳(瞳孔を広げる)点眼薬を使用することがあり、検査後数時間は視界がぼやけることがあります。

緑内障のレーザー治療(SLT)はどのくらい効果が続きますか?

SLTの効果は個人差がありますが、一般的に数年間にわたって眼圧下降効果が持続するとされています。
効果が薄れた場合でも周辺組織へのダメージが少ないため、繰り返し施術が可能です。

緑内障と白内障は同時に治療できますか?

できます。当院では小切開緑内障手術(MIGS)を白内障手術と併用して実施しており、1回の手術で両方の治療が可能です。眼圧下降効果も良好で、患者様の負担を軽減できます。

緑内障の疑いと言われたらどうすればいいですか?

すぐに眼科専門医を受診し、精密検査(眼圧・眼底・視野・OCT)を受けてください。
「疑い」の段階では治療が不要なケースもありますが、定期的な経過観察が必要です。放置すると気づかないうちに進行します。

緑内障は若い人でもなりますか?

なります。若年開放隅角緑内障(JOAG)や先天性緑内障など、若い世代にも発症する緑内障があります。
強度近視の若い方は特に注意が必要です。年齢に関わらず視野異常や眼の違和感を感じたら眼科を受診しましょう。

緑内障の治療費はどのくらいかかりますか?

治療法によって異なります。点眼治療は月数百〜数千円程度(保険適用)です。
SLTレーザー治療は3割負担で約30,000円です。手術の場合は術式・入院の有無によって異なるため、受診時に詳しくご説明します。

結論

緑内障は日本における中途失明の主要な原因でありながら、初期には自覚症状がほとんどない病気です。40歳以上・強度近視・家族歴・糖尿病・高血圧のある方は特にリスクが高く、年に1回の眼科検診が不可欠です。

一度障害された視神経は回復しないため、早期発見・早期治療こそが視野・視力を守る唯一の方法です。点眼・レーザー(SLT)・手術(MIGS)と複数の治療選択肢があるため、専門医に相談しながら自分に合った治療を継続することが大切です。

【著者情報】熊谷悠太

日本眼科学会認定眼科専門医
2003年 聖マリアンナ医科大学医学部卒業、聖マリアンナ医科大学病院眼科学教室入局
2009年 聖マリアンナ医科大学大学院博士課程修了、桜ヶ丘中央病院眼科部長
2016年 聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院眼科主任医長
2019年 梅の木眼科クリニック開院

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