医療法人柔敦

白内障で乱視は悪化する?見え方の変化と治療の選択肢を詳しく解説

お問い合わせはこちら

白内障で乱視は悪化する?見え方の変化と治療の選択肢を詳しく解説

白内障で乱視は悪化する?見え方の変化と治療の選択肢を詳しく解説

2026/04/14

白内障と乱視の関係とは

白内障と乱視は、どちらも「見えづらさ」を引き起こす目の状態です。しかし、この2つは全く別の原因で起こります。
白内障は、目の中でレンズの役割を担う「水晶体」が濁る病気です。加齢や紫外線、アトピー性皮膚炎などが原因で、視界がかすむ・まぶしく感じるといった症状が現れます。
一方で乱視は、角膜や水晶体の歪みによって、目に入る光の焦点が1ヶ所に定まらない状態を指します。

実は、白内障が進行すると乱視の症状が現れることがあります。水晶体が濁ると光の曲がり方が均一でなくなり、焦点がずれてしまうのです。

「最近、ものが二重に見える」「文字が滲んで読みづらい」といった症状を感じている方は、白内障による乱視の可能性があります。

白内障で乱視が悪化するメカニズム

白内障が進行すると、なぜ乱視が悪化するのでしょうか。

水晶体は本来、透明で均一な構造をしています。しかし白内障によって濁りが生じると、光が通る際の屈折率が場所によって異なってしまいます。
この不均一な屈折が、乱視を引き起こす原因となります。

特に60歳以降では過半数の方に白内障が見られ、80歳以上ではほぼ全員が白内障であるとされています。加齢とともに水晶体の濁りが進むため、乱視の症状も徐々に強くなっていくケースが多いのです。

また、白内障による乱視は「不正乱視」と呼ばれるタイプになることがあります。不正乱視は角膜の表面に歪みやでこぼこが生じ、片目を閉じた際にもう片方の目で対象物が何重にもぶれて見える状態です。
通常のメガネやソフトコンタクトレンズでは矯正しにくいため、注意が必要です。

白内障と乱視による見え方の変化

初期の見え方の変化

白内障と乱視が組み合わさると、日常生活にさまざまな支障が出てきます。初期段階では、以下のような症状を感じることが多いです。

文字が滲んで読みづらい
ものが二重に見える
暗い場所でものが見えづらくなる
夜間のヘッドライトや街灯が眩しく感じる

これらの症状は、白内障による水晶体の濁りと、乱視による焦点のずれが同時に起こることで現れます。
特に夜間の運転時には、対向車のライトが何重にも見えたり、眩しさで直視できなくなったりすることがあります。

進行した場合の症状

白内障が進行すると、乱視の症状もより顕著になります。

細かな文字や数字を読み取れず、勉強や仕事の効率が下がることもあります。また、頭痛や肩こりといった身体的な不調を訴える方も少なくありません。
これは、見えづらさを補おうとして無意識に目を細めたり、姿勢が悪くなったりするためです。

さらに、子どもが白内障と乱視を放置していると、弱視につながる可能性もあります。視力の発達期に適切な矯正を行わないと、将来的に視力が十分に発達しない恐れがあるのです。

白内障手術で乱視は改善するのか

白内障手術を受けることで、乱視の症状が改善する可能性があります。

白内障手術では、濁った水晶体を取り除き、代わりに人工の眼内レンズを挿入します。この手術によって、水晶体の濁りが原因で起きていた乱視は解消されることが期待できます。

手術時間はおよそ10分で、局所麻酔で行われるため痛みもほとんどありません。
創口は縫合を必要とせず自己閉鎖するため、身体への負担も軽減されています。翌日からほぼ普段通りの生活を送ることが可能です。

ただし、白内障だけでなく角膜にも乱視の原因がある場合は、通常の白内障手術だけでは完全に乱視が解消されないこともあります。
そのような場合には、乱視用の特殊なレンズを使用することで、より良好な視力回復が期待できます。

乱視矯正に対応した眼内レンズの選択肢

トーリック眼内レンズとは

乱視のある方には、「トーリック眼内レンズ」という乱視用の眼内レンズがあります。
トーリック眼内レンズは、白内障手術と同時に角膜乱視を矯正し、術後の乱視を軽減することができます。保険適用で手術を受けることができますが、すべての乱視が対象となるわけではありません。

手術中にレンズの位置合わせが必要なため、通常のレンズよりやや手術時間がかかります。しかし、正しい位置に入っていれば、乱視を軽減する効果を発揮します。

単焦点レンズと多焦点レンズの違い

白内障手術で使用する眼内レンズには、「単焦点レンズ」と「多焦点レンズ」の2種類があります。

単焦点レンズは、遠くまたは近くのどちらか一方にピントが合うレンズです。保険適用で費用負担が少ないのが特徴ですが、ピントが合わない距離を見る際には眼鏡が必要になります。

一方、多焦点レンズは遠くも近くも自然に見えるレンズです。「できれば老眼鏡をかけたくない」「遠くも近くも自然に見えるようにしたい」という希望に応えることができます。
ただし、選定医療または全額自己負担となり、費用が高額になることがあります。

また、術後のコントラスト感度が単焦点レンズよりも悪かったり、ハローやグレア(光源のまわりに光の輪が見えたり、夜間に光がにじんだりする症状)が出ることもあります。
見え方の質が低下する可能性があるため、担当医とよく相談して選択することが重要です。

白内障手術後に乱視が残る場合の対処法

手術による調整

トーリック眼内レンズを入れたにも関わらず、大きく乱視が残ってしまう場合があります。
これは、レンズの位置が術後にズレてしまうことが原因です。特に近視が強い方は眼内レンズを入れる袋が大きいことがあるため、ズレやすいことが分かっています。

この場合は、乱視用眼内レンズの位置のズレを調整するための手術を行います。調整を行えば多くの場合、乱視の症状が軽減します。
ただし、手術直後はレンズの度数が変化する恐れがあるため、手術後2-3ヶ月後に調整することが推奨されています。

メガネやコンタクトレンズによる調整

トーリック眼内レンズの位置のズレもほとんどなく、正しく眼内レンズが入っていても乱視が残ってしまう場合もあります。

例えば、角膜の乱視が眼内レンズでは補正できないほど小さい場合や、逆に補正できないほど大きい場合などがあります。また、トーリック眼内レンズを入れる袋が脆くて使用できない場合は、乱視用眼内レンズを入れることができない場合もあります。

このように、乱視用眼内レンズで補正できない乱視は、メガネやコンタクトレンズを用いて乱視を調整します。乱視用メガネや乱視用ソフトコンタクトレンズ、ハードコンタクトレンズを使い、これら乱視に対応することができます。

白内障手術の流れと術後の注意点

手術前の準備

白内障手術を受ける前には、詳細な検査が行われます。

目の状態や乱視の程度を正確に測定し、最適な眼内レンズを選択します。患者様の生活スタイルやご事情を丁寧に伺いながら、手術時期とレンズ選びを一緒に考えていきます。

手術は基本的に局所麻酔で行います。2mm前後の切開創から超音波を発生する吸引器具を眼の中に挿入し、眼の中に水を灌流しながら混濁した水晶体の中身を吸引します。
残した水晶体の薄い膜(水晶体嚢)の中に眼内レンズを挿入する方法で行われます。

術後の管理と注意点

手術後は、一定期間、医師が処方した点眼液をささなければなりません。

手術してから医師の許可が下りるまでは、自身での洗顔や洗髪は控えて清拭のみとし、汚い手で目を擦らないようにし、清潔管理に注意する必要があります。
通常の日常生活はすぐに再開できますが、処方された点眼液を怠らないことはとても大切です。

また、手術後に青みがかって見える感覚を自覚される場合があります。この現象は特に問題はなく、多くは経過とともに慣れて感じなくなります。
若年の患者さんの場合は少し黄色がかって見えることがありますが、この現象も経過とともに慣れてきます。

白内障は再発することはありませんが、長期的には後発白内障(眼内レンズが入っている袋が濁る)や、他の病気で視力が低下してくることもあります。異常を感じたときには眼科医を受診してください。

まとめ:白内障と乱視の適切な治療を受けるために

白内障が進行すると、乱視の症状が現れたり悪化したりすることがあります。

「最近、視界がかすむ」「まぶしく感じる」「夜の運転が不安」といった症状は、白内障と乱視のサインかもしれません。
これらの症状を放置すると、日常生活に大きな支障をきたすだけでなく、頭痛や肩こりといった身体的な不調にもつながります。

白内障手術を受けることで、濁った水晶体が原因の乱視は改善が期待できます。さらに、トーリック眼内レンズを使用すれば、角膜の乱視も同時に矯正することが可能です。
手術後に乱視が残った場合でも、手術による調整やメガネ・コンタクトレンズによる対処法があります。

梅の木眼科クリニックでは、患者様の目の状態・生活の質・希望の見え方をもとに最適なレンズを選択しています。診察から手術、術後のフォローまで院長自らが責任を持って対応し、安心して任せられる一貫診療を実現しています。

白内障や乱視でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
見えづらさをあきらめず、適切な治療で「見える喜び」を取り戻しましょう。

梅の木眼科クリニック
所在地:神奈川県横浜市保土ケ谷区西谷1-25-21
アクセス:相鉄線「西谷駅」北口から徒歩7分
電話番号:045-371-2666
手術日:月曜・水曜
休診日:土曜午後・日曜・祝日
駐車場:3台完備(満車時は近隣コインパーキング利用可)

【著者情報】熊谷悠太

日本眼科学会認定眼科専門医
2003年 聖マリアンナ医科大学医学部卒業、聖マリアンナ医科大学病院眼科学教室入局
2009年 聖マリアンナ医科大学大学院博士課程修了、桜ヶ丘中央病院眼科部長
2016年 聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院眼科主任医長
2019年 梅の木眼科クリニック開院

当店でご利用いただける電子決済のご案内

下記よりお選びいただけます。